「会いたい」と言わなくなったら…孫からの連絡
それから真理子さんは、娘一家の予定を毎週聞くのをやめました。最初の休日は、想像以上に寂しかったといいます。
午前中に掃除を終えても、その後に予定がありません。以前なら「もしかしたら孫が来るかもしれない」と買っていた菓子も、買わなくなりました。
そこで、以前から誘われていた地域の体操教室へ参加することにしました。
週に一度通ううちに顔見知りができ、そこから趣味の園芸サークルにも誘われました。夫を亡くしてから遠のいていた友人とも、月に一度ほど昼食をするようになりました。
「孫が来るかもしれないからと、予定を空けていたんです。でも、実際には来ない。その時間に、自分がやりたいことを入れてもよかったんですよね」
もちろん、孫に会いたくなくなったわけではありません。誕生日や年末年始には家族で集まり、必要があれば娘を手伝います。ただし、以前のように次に会える日をすぐ確認することはやめました。
数ヵ月後、孫から突然メッセージが届きました。
「今度の日曜、おばあちゃんの家に行っていい?」
真理子さんはすぐに「もちろん」と返しましたが、それ以上予定を詰め込もうとはしませんでした。
当日は孫の好きな料理を一緒に作り、学校の話を聞きました。夕方、孫は「また暇なとき来るね」と言って帰っていきました。
「以前だったら、『次はいつ?』と聞いていたと思います。でも、その日は『うん、またね』だけにしました」
真理子さんは今でも、「もっと孫に会えたら」と思う日があります。
「寂しいですよ。でも、もう追いかけません。孫には孫の生活がありますから。私も私の予定を楽しんで、会えた日は思い切り楽しめばいいと思うようになりました」
孫との時間は、祖父母にとって大きな喜びになり得ます。一方、子どもの成長とともに家族の距離感も変わります。
相手との時間だけを生きがいにするのではなく、自分自身の予定や人間関係を持つこと。それは孫から離れることではなく、成長した孫と無理のない関係を続けていくための一つの方法なのかもしれません。
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