「お金のことだけじゃない」夫婦が娘に伝えた本音
負担を感じていたのは、家計だけではありませんでした。
孫を預かる日は、午後から夜まで予定を入れられません。春子さんは友人との食事を断ることが増え、正夫さんも夫婦で予定していた日帰り旅行を何度か延期していました。
ある金曜日、由香さんから翌週の予定が送られてきました。
「月、水、金お願いできる?」
春子さんがカレンダーを見ていると、正夫さんが言いました。
「もう、こっちの予定を先に決めてもいいんじゃないか」
その言葉で、春子さんも自分が疲れていたことを認めました。
「孫はかわいいし、娘が困っているなら助けたい。でも、断ったらかわいそうと思って、全部引き受けていたんですよね」
夫婦は由香さんに、預かるのは原則週1回、多くても週2回までにしたいと伝えました。由香さんは驚きました。
「そんなに大変だったなら言ってくれればよかったのに」
「あなたも仕事が大変だから言いづらかったの。でも、私たちも毎週予定を空けておくのは難しいのよ」
由香さん夫婦はその後、自治体のファミリー・サポート・センターにも登録しました。同制度は、子育ての援助を受けたい人と援助を行いたい人を地域で結び、子どもの預かりや送迎などを支援する仕組みです。こども家庭庁も、祖父母だけに頼らない地域の子育て支援策の一つとして位置づけています。
現在も、春子さん夫婦は週に1回ほど孫を預かっています。
以前のように冷蔵庫へ大量のおやつを買い置きすることはなくなり、娘夫婦も夕食代として時折お金を渡すようになりました。夫婦で出かける予定がある日は、孫を預かるために変更することもありません。
孫の世話は、祖父母にとって楽しみになる一方、回数が増えれば食費や時間、体力の負担も大きくなります。家族だからと無理を重ねるのではなく、どの程度までなら続けられるのかを親子で確認し、必要に応じて地域の支援を併用することも大切です。
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