(※写真はイメージです/PIXTA)

親であっても、子の家庭で起きていることをすべて知っているとは限りません。とりわけ夫婦間の問題は外から見えにくく、親が「仲直りさせたほうがいい」と考えて取った行動が、子どもにとっては望まない結果につながることもあります。

「夫婦なら話し合えばいい」父が後になって知ったこと

敏夫さんは、娘の話を聞いても、当初は納得できませんでした。

 

「夫婦げんかだと思ったんです。娘婿も普段は普通だったし、娘から相談されたこともなかった。だから二人で話せば済むと思っていました」

 

しかし和美さんは、娘があの夜何度も「連絡しないで」と言っていたことが頭から離れませんでした。

 

「理由を話さなかったから大したことじゃない、と勝手に思ってしまったんです。本当は、話せない事情があるかもしれないと考えるべきでした」

 

その後、真紀さんからの連絡は絶たれました。孫にも会えていません。

 

夫婦には年間約280万円の年金収入があり、現在は市営団地で二人暮らしをしています。生活は以前とほとんど変わりませんが、秋になると、娘が訪ねてきたあの夜を思い出すといいます。

 

敏夫さんは何度か手紙を書きました。

 

「自分の判断で連絡してしまったことを謝りたい。言い訳はしない」

 

そう書いて送りましたが、返事はありませんでした。

 

家庭の外からは事情が分かりにくいからこそ、本人が「連絡しないでほしい」「帰りたくない」と訴えている場合、その意思を軽く扱わないことが重要です。

 

「あの日、娘の言うとおり、一晩何も聞かずに泊めてやればよかった。それだけでよかったんですよね」

 

家族から深刻な悩みを打ち明けられたとき、親しい間柄だからこそ「こうしたほうがいい」と助言したくなることもあります。しかし、本人が望まない相手への連絡や仲介が、状況を悪化させる可能性もあります。まず本人の話を聞き、必要に応じて専門の相談窓口につなぐという対応も選択肢になります。

 

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