論点① 2027年度・28年度は食料消費税率引き下げで対応?
今回の合意でまず注目されるのは、2029年度までの「空白期間」をどう埋めるのかという問題です。
2029年度から新制度を導入するのであれば、その前の2027年度と2028年度にどのような物価高対策を実施するのかが問われます。
食料品の消費税率引き下げについては依然として結論が出ていませんが、もし新給付制度までのつなぎ策として位置付けるのであれば、今回の会議にはそのような暗黙の了解が存在した可能性も考えられます。
しかし、その点については明確な説明がなされておらず、今後の政治判断が注目されます。
論点② 給付制度を前倒しで実施できないのか?
もう一つの論点は、新制度の開始時期です。
仮に給付付き税額控除の導入を見送り、まずは給付制度を一本化するのであれば、2029年度まで待つ必要があるのかという疑問が生じます。
所得情報やマイナンバー制度の活用によって対象者を把握できるのであれば、2027年度から給付を開始する選択肢も考えられます。
物価高が続くなかで、国民が求めているのは制度の将来像だけでなく、目の前の生活を支える具体的な支援策です。
その意味では、「いつ実施するのか」という問題も重要な政策課題となるでしょう。
論点③ 財源と制度の持続性は依然として未解決
今回の会議では制度の方向性が示された一方で、財源問題は積み残されたままです。
給付制度を実施する場合、年間でどの程度の財政負担が発生するのか、その財源をどこに求めるのかは明確になっていません。
また、給付を恒久的な制度とするのか、それとも一定期間に限定するのかについても議論が必要です。
さらに、当初検討されていた給付付き税額控除を完全に断念するのか、それとも将来的な導入を視野に入れているのかも整理されていません。
制度の持続可能性を確保するためには、財源と制度設計を一体で議論する必要があります。
論点④ 所得基準の議論は再び対立を招く可能性も
給付制度を実施する場合、最も難しいのは対象者をどこまで広げるかという問題です。所得制限を厳しくすれば財政負担は抑えられますが、対象外となる層から不公平感が生じます。反対に対象範囲を広げれば、多額の財源が必要となります。
今回の会議では、この所得基準などの具体的な制度設計が先送りされました。しかし、制度の詳細が固まる段階になれば、各党が再び異なる立場から意見を戦わせる可能性があります。大筋合意が成立したとしても、本当の難関はこれからだといえるでしょう。
