家賃下落を抑える「安心・安全」「利便性」の追求
9.物件を陳腐化させるな! 物件をよく見ろ!
何事でもベンチマークは大切だ。知らず知らずのうちに物件が陳腐化してしまう。私の場合、「新築を手掛けていた」もしくは「自宅用マンションの購入を検討していた」ことで新しい物件と触れる機会が十分にあった。そのなかで、古い物件の置かれた位置付けがよく分かる。後付けで設置できる設備は、どんどん手を打ってきた。目線として必要なのは、①安心・安全と、②利便性だ。
①はオートロックが理想だが、費用がかかり過ぎる。なので、せめてインターホンからモニターホンへの変更を早急に進めた。
②はインターネット無料だ。入居者が個人で支払っている費用に入り込んでそれを大家が肩代わりするという考え方をすれば他にもアイデアは出てくる。
例えば上記のように古い物件も少しずつスペックアップして、家賃下落を最小限に抑えるべきだ。入居率を上げるために、ただいたずらに家賃を下げていくやり方は愚の骨頂だ。
そうはいっても、物件の築年数に嘘はつけない。物件は年をとり、年を重ねるごとに賃料が低下するトレンドに逆らうことはできない。しかし、アンチエイジングをしないと、物件もただの魅力がないおっさんになっていく。年を重ねても魅力的なおっさんになるよう物件も維持管理しなきゃいかん。
事業用不動産は利回りが命…細かい改善の繰り返しを
そして、購入から5~10年後に売却するとしたら、退去時には募集家賃が下がらないようにするためには何をすべきか、これを1つ1つ丁寧に考えて実践していくしかない。そうすれば、売却時に支払ったリフォーム費用ぐらいは戻ってくる。
事業用の不動産は、利回りが命だ。それには、家賃が下がらないように細かい改善の繰り返しだ。設備を刷新するおカネがなければ、照明や観葉植物などの見かけで勝負するのも良い。もしくは共用部に思い切って後付けでオートロックを入れてみるでも良い。誰をターゲットにして、何を訴求したいかを考えて、物件の陳腐化を回避しろ!