まずは優秀な仲介業者とのパイプを作る
10.最重要キーマンを見つけろ! 早く優秀な仲介業者とつながれ!
優秀な銀行マン、優秀な仲介業者。この二つが揃えば怖いものはない。
順番的には、「優秀な仲介業者」を先に見つけるべきだ。優秀な仲介業者に優秀な銀行ありきだ。残念ながら、不動産は、まだまだクローズされた世界だ。素人が入ってかき回すより、アナログの人と人とのつながりに身を任せた方がうまくいく。優秀な仲介業者とのパイプを作れば、銀行とのパイプも自然と出来上がる。
そして、仲介業者にマメに足を運ぶようになると、極秘物件も紹介してもらえる関係になる。優秀な仲介業者を見つけると、「優秀な銀行マンの紹介」や「優良物件の紹介」の二つが手に入り、一石二鳥だ。不動産業界は人と人のつながりがまだまだ大きくて、インターネットは役に立たない。
優秀な仲介業者を見つけるためには、まずは足で稼ぐしかない。いくつかの仲介業者を梯子して、自分の希望エリア・物件条件に近い情報があるかどうかを探る。そして、パートナーとなる仲介業者選びが不動産事業拡大への近道だ。パートナー化して、インターネットに物件が載る前に紹介してもらえ! 「本気で不動産を購入」「良い情報が優先的に回ってくる」ようになる。
ちなみに、仲介業者が好むオーナーはこんな特徴を持ったオーナーだ。
●欲しい物件のビジョンが明確
●オーナーの資産状況を仲介業者が把握している
●決断が早い人
これを意識すれば、きっとキーマンとなる良い仲介業者に出会える。
購入時に「将来の売却最低価格」をシミュレーション
11.物件に惚れるな! 感情より勘定!
私は物件に惚れてしまいがちなので、しっかりこの考え方を植え付けている。1つの失敗例は三軒茶屋だ。土地の相場を全く考慮せずに、成り行き買いしてしまった。三軒茶屋徒歩3分・角地・非公開物件という条件に踊らされて、何も交渉しなかった。その結果、建築条件も外さず、相場よりも5~10%ほど高値掴みをした感があった。その時の私の置かれた環境は以下の通りだった。
●今までは川崎エリアに物件を2棟保有していた。
●東京オリンピックを見越して、次は都内に手を出したい。
●本業が劇的につまらなくて何かを変えたかった。
そんな時にこの物件に出会った。当初想定していた自己資金を500万円近くオーバーした。その結果、多少資金繰りに行き詰まった。しかし、この資金繰りが厳しくなったおかげで、他物件を売却する決意ができた。そして売却した資金を使ってさらに次の物件を買い進めることができた。まずは恐れずに決断してみることだ。決断する際に有効な方法は中長期的(5~10年後)のシミュレーションだ。
不動産の最初の心理的ハードルは、高額なローンだ。私も初めて物件を買う際にはかなり迷った。目の前に崖があって、それを飛び越えるには、目標の着地点をしっかり見ること。それと一緒で、まずは10年後をターゲットとして、借金がどれぐらい減っているのかシミュレーションした。
ポイントは、以下の4つがどんな関係になっているかだ。
①不動産購入時の自己資金
②10年間の家賃収入でのキャッシュ増
③10年後の残債
④10年後の売却額
これが①<②+(④-③)となっていれば、良いわけだ(税金等を無視して試算)。ついでに、④の売却目安額は、④>①-②+③となるので、是非この4つの関係はイメージすべきだ。
具体的な例を示すと、例えば、5000万円の物件を購入。①自己資金500万円、②年間家賃収入によるキャッシュ増は100万円/年(10年間で1000万円)、③10年後の残債3500万円とした場合、
10年後に売却する時には④>500-1000+3500=3000万円
3000万円以上でこの物件が売れれば、トントンになるわけだ。
もちろん、「10年間やって、結果トントンでした」じゃバカみたいな話なので、利益は出さないといけない。ここで古い物件になればなるほど、修繕の要素を入れなくてはいけないため、収支シミュレーションが難しくなる。購入時点の収支シミュレーションには、毎年修繕積立金という形で、入れ込むしかない。
ここでの例は、10年後に3000万円で売却できるか。これが1つの購入時点での判断だ。しっかり将来の不動産売却時の最低価格をシミュレーションしておけ!