わずか2年で「管理費値上げ」提案に住民困惑…国交省が警鐘を鳴らす「管理業者管理者方式」の構造と実態【マンション管理士が指摘】

わずか2年で「管理費値上げ」提案に住民困惑…国交省が警鐘を鳴らす「管理業者管理者方式」の構造と実態【マンション管理士が指摘】
(※写真はイメージです/PIXTA)

「建物の老朽化」と「区分所有者の高齢化」により、役員の“なり手不足”に悩むマンションが急増しています。その解決策として広がっているのが、管理会社が自ら管理者(理事長)を務める「管理業者管理者方式」の導入です。しかし、「役員をやらなくていい」というメリットの裏には、利益相反や規約改悪といった“構造的なリスク”も潜んでいます。国土交通省もガイドライン改定で警鐘を鳴らす新たな方式の光と影について、マンション管理士の松本洋氏が解説します。

「自分の財産を守る」ための選択を

管理業者管理者方式は、リゾートマンションや投資用マンション、役員が集まらない特殊事情のあるマンション、高齢化が極端に進んだ管理組合では有効な選択肢となり得る。

 

しかし、「管理組合の財産が毀損されるリスクが高まる」という側面を理解しないまま導入すると、取り返しのつかない事態を招く。国土交通省のガイドラインが強調するように、「管理会社任せは危険」という前提で制度が設計されていることを忘れてはならない。

 

マンションは住民の大切な資産であり、生活の基盤である。短期的な負担軽減だけに目を奪われず、長期的な資産価値の維持という視点で管理方式を選択することが求められる。

 

管理業者管理者方式は、役員不足という現実的な課題を解決する一方で、利益相反という構造的リスクを内包する制度である。

 

国土交通省のガイドラインが示すように、監査・修繕委員会・第三者チェックの仕組みを整えない限り、管理会社の裁量が過度に強まり、組合員の財産が毀損される可能性が高い。

 

マンション管理は「自分の財産を守る行為」である。小さな損得にとらわれず、長期的な視野で制度を選び、監視体制を整えることが不可欠だ。

 

 

松本 洋

松本マンション管理士事務所代表

 

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