周囲の視線なんて気にしない…その裏にある「冷静なマネープラン」
澤田さんが消極的な姿勢ながらも仕事を辞めないのは、感情を切り離して「現実的な計算」をしているからです。定年とそれに続く継続雇用で65歳まで今の会社で働き続けた場合、これからのマネープランは以下のようになります。
・56歳~60歳(4年間): 額面年収500万円 × 4年 =2,000万円(手取り
約1,650万円)
・61歳~65歳(5年間・継続雇用で年収6割に減少と仮定): 額面年収300万円 × 5年 = 1,500万円(手取り1,320万円)
・60歳到達時の退職金(見込み): 約1,200万円(退職所得控除により額面=手取り)
【65歳までの合計獲得見込み額】 = 約4,700万円(手取り4,170万円)
※手取り額は、社会保険料や所得税・住民税などを差し引いた概算であり、家族構成や居住地、前年の所得などの諸条件によって実際の金額は異なります。
今の仕事を続けるだけで、これから約4,700万円(手取り約4,170万円)もの収入を得られる計算です。
一方で、50代後半での転職はハイリスクそのもの。56歳という年齢で会社を飛び出せば、現在の年収500万円すら維持できない可能性が極めて高いのが現実です。さらに、途中で退職すれば厚生年金の受給額や退職金へのダメージも避けられません。
「給料分の最低限の仕事はこなすが、それ以上の熱意や時間、感情は会社に一切投資しない」という働き方である「静かな退職(Quiet Quitting)」の姿勢そのものです。
「会社が私を評価しないなら、私も頑張る必要はない。周囲にどう思われようが、陰口を叩かれようが、大学生の息子の学費と自分たちの老後のために、65歳まではここにいさせてもらいます」
仕事への価値観や考え方は、決して一つではありません。その人の生き方や、背負っている家庭の事情によって正解は変わります。職場で「なぜ、あの人は辞めないのだろう」と疑問に思う場面に出くわしたとき。その裏には、その人なりの冷静な考えが隠れているのかもしれません。
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