元エース社員だったが…最低限の仕事をこなして定時で即退社の「省エネモード」へ
「あの人、なんで会社にしがみついてるんだろ。やる気がないなら辞めればいいのに」
ある日の午後、オフィスの給湯室から漏れ聞こえてきた、10歳以上年下の同僚の辛辣な声。陰口どころか「あえて聞こえるようにしている」と思えるほどの声のボリュームでした。
しかし、それを耳にしても、澤田和男さん(仮名・5歳)は、傷つくどころかフッと鼻で笑い、自席へ戻っていきます。その“謎の強さ”の裏には、こんな事情がありました。
かつての中堅メーカー時代、澤田さんは企画管理職としてバリバリ実績を上げるエース社員でした。年収ピーク940万円。しかし、会社が吸収合併されたことで、彼の人生は一変しました。
彼の会社人生は一変します。組織再編にともなって役職を外され、年下の若い上司の下で働く立場に。さらに追い打ちをかけるように、年収は500万円へと激減したのです。これまで会社に尽くしてきた自負があったからこそ、プライドは粉々に。これを機に、澤田さんは仕事への姿勢を完全にシフトチェンジしました。
「もう頑張るフェーズは終わり。あとは“オマケ”の会社員人生だ」
現在の澤田さんの仕事ぶりは、以前の彼からは想像できないものです。仕事は最低限のルーティンだけをこなして、定時で即退社、会議でも積極的な発言はしません。
年下の上司から高い目標を掲げられ、時には厳しい言葉をかけられても、返すのは「努力します」という生返事だけ。あからさまな省エネの姿勢に、周囲から不満が出るのも当然ですが、澤田さんは一切動じません。
「だって、頑張ったって報われませんから。あの陰口だって、気にした方が負けです。怒って会社を辞めたら、それこそ『向こうの思うつぼ』。コストカットしたい会社を喜ばせるだけですよ」

