夢の「庭でBBQ」は即クレームに…残業代ゼロで消えた夫婦の余裕
家計の悪化に加えてミホさんを悩ませているのが、こだわって決めたはずの間取りと、想定外のご近所トラブルです。
「休日に庭でBBQをしたり、子どもと遊んだりするのが私たち夫婦の夢でした。そのために広い庭を優先したのに……」
もちろん、土地を購入する前に不動産業者へ、庭でBBQができるエリアかを確認していました。しかし、思わぬトラブルに発展します。
入居して最初の大型連休に念願のBBQをしたところ、翌日すぐに隣の住人から「煙が洗濯物に臭いをつけるし、子どもの声がうるさい」とクレームが入ってしまったのです。
不動産業者の言葉を鵜呑みにしていましたが、住宅が隣接するエリアで煙や騒音を出せば、近隣住民に迷惑をかけるのは当然のことでした。自分たちの理想ばかりに目を向け、周囲への配慮が欠けていたのです。
「結局、庭でBBQをしたのは最初の1回だけです。今では手入れする気にもならず、まったく活用できていません」
トモヤさんも手取り額の減少からお小遣いを減らされ、休日はリビングで疲れて寝ていることが増えました。家族が笑顔で暮らすために建てたはずのマイホームが、いつしか夫婦の余裕を奪い、重苦しい空気を生む原因になってしまったのです。
「無理して新築の注文住宅にこだわらず、身の丈に合った中古物件でも買って気楽に暮らせばよかった……。こんなことになるなら、結婚式を挙げたかったのが本音です」
想定外の残業代カットによる収入減で、ただでさえ苦しい月々のローン返済。そこへ追い打ちをかけるように、高額な費用をかけた「こだわり」が全く活かされないという厳しい現実。将来のゆとりを削って組んだペアローンは、日々の生活費だけでなく、夫婦のささやかな夢までも取り上げてしまったのです。
[参考資料]
国土交通省「令和6年度 住宅市場動向調査報告書」
住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査(2026年1月調査)」
