固定資産税で「10年で350万円」の差…3つの税から見る空き地活用の節税効果
土地活用を検討する際、目先の収益性だけでなく、最終的に手元へいくら残るかを左右する「税金」への影響を正しく把握しておくことが欠かせません。ここでは特に重要な「所得税」「相続税」「固定資産税」の3つの観点から、それぞれの節税効果を比較してみましょう。
所得税
所得税の観点から見ると、両者に異なる強みがあります。駐車場の場合、設備が多いコインパーキングでは減価償却費での節税効果が出てきます。精算機やフラップ板は耐用年数5年、看板は3年と短く、短期間で減価償却を計上できるのです。
一方、アパートの建物は木造で22年、RC構造であれば47年と長期にわたるため、1年あたりの減価償却費は薄くなります。ただし、アパート経営で大きな節税効果を得たい場合は、中古のアパートを購入することで短い期間で経費にすることができます。
相続税
相続税の観点では、駐車場の場合は小規模宅地等の特例で200平米まで50%の評価減が受けられます。ただし、アスファルト舗装や精算機などの構築物があることが条件で、青空駐車場では適用されません。
これに対し、アパートの土地は「貸家建付地」として評価減になり、さらに小規模宅地等の特例で200平米まで50%減になります。加えて、建物自体も他人に貸しているため、評価額が約30%減額されます。総合的な圧縮効果は駐車場よりかなり大きくなるのです。
ただし、相続が発生する直前3年以内にアパート経営を始めた場合、小規模宅地等の特例50%評価減が使えないという注意点があります。節税を目的にアパート経営を始めるなら、早めの着手が必要です。
固定資産税
固定資産税の差も見逃せません。アパートが建っている土地は住宅用地になり、200平米以下の部分は固定資産税が1/6、都市計画税が1/3に軽減されます。対して駐車場は非住宅用地となり、この軽減措置が一切使えません。
固定資産税評価額3,000万円の土地の場合、駐車場だと42万円かかるのに対し、アパートが建っていれば1/6になり7万円で済みます。その差は年間35万円、10年で350万円に達するのです。
空き地の活用方法は、複数の観点からの「総合的な判断」を
土地活用の最適な選択肢は、所有者の目的と状況によって異なります。
出口の柔軟性を最重要視するなら駐車場を、相続まで見据えた長期の資産形成をするならアパートを選択すべきです。
節税効果やキャッシュフロー、相続対策など複数の観点から総合的に判断し、専門家のアドバイスを受けながら決定することが重要です。
黒瀧 泰介
税理士法人グランサーズ共同代表/公認会計士・税理士
税理士法人グランサーズの新進気鋭の税理士が解説
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