FIREが夫婦関係を変えてしまった理由
FIREというとお金の計画ばかりが注目されがちですが、本当に難しいのは、リタイアした後に生じる「夫婦間のバランスの変化」をどうコントロールするかです。
亮太さんが抱いた苛立ちは、ただの嫉妬や八つ当たりのように見えるかもしれません。しかしその根底には、深い焦りと孤独がありました。
結婚当時は同じ年収600万円だった二人が、気づけば妻は1,500万円、自分は700万円。亮太さんの中には、言葉にできない「置いていかれた感覚」が溜まっていたはずです。そこに、妻が「1億2,000万円の資産でFIRE」という圧倒的な現実を突きつけてきた――。
厚生労働省「労働安全衛生調査(実態調査)の概況(令和6年)」によると、仕事や職業生活に関することで「強いストレス」を感じることがある労働者の割合は、68.3%。30代と40代は73%台と、特に高い割合を占めています。強いストレスの内容は「仕事の量(43.2%)」が最も多く、「仕事の失敗、責任の発生等(36.2%)」が続いています。
こうしたストレスにさらされながら働き続ける亮太さん。気づけば、自分の人生と妻の人生を比較していました。資産を築いた妻、現状維持の自分。自由な妻、働き続ける自分。その差に耐えられなくなっていたのです。
FIREに必要なのは資産だけではありません。自由になった後、自分はどのように生きるのか。そして、パートナーとどのような関係を築いていくのか。その後の人生設計についても、夫婦で十分に話し合っておくことが欠かせません。
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