「結婚15年目、妻は静かに去った」…株高の波に乗り〈資産1.2億円〉でFIREした妻。満員電車に揺られる47歳会社員夫を襲った「強烈な劣等感」の代償

「結婚15年目、妻は静かに去った」…株高の波に乗り〈資産1.2億円〉でFIREした妻。満員電車に揺られる47歳会社員夫を襲った「強烈な劣等感」の代償

「仕事を辞めて、家族のために、そして自分のために生きる」。そんなFIREの夢を、もしパートナーが叶えたら――。45歳でFIREを宣言し、生き生きとセカンドライフを楽しむ妻。それを見守るうちに、謎の焦燥感に襲われる夫。ある共働き夫婦の事例から、お金の計画だけでは防げないFIRE後の“心の落とし穴”を見ていきましょう。

「もっと娘と一緒にいたい」…45歳でFIREを決断した妻

「私、仕事を辞めようと思う」

 

美沙さん(仮名・45歳)が切り出したとき、夫の亮太さん(仮名・47歳)は少し驚いたものの、反対はしませんでした。

 

美沙さんは都内の外資系企業勤務。20代からキャリアを積み重ね、転職を重ねながら着実に年収を伸ばしてきました。 一方、亮太さんはメーカー勤務。30歳で結婚した当時は、どちらも年収600万円前後。共働きのごく普通の夫婦でした。

 

しかし、その後の15年間で状況は大きく変わります。美沙さんは転職と昇進を重ね、年収は1,500万円を超えるまでに成長。一方で、亮太さんも転職を経験したものの、思うようなキャリアアップにはつながらず、年収は700万円台にとどまっていました。

 

収入の差は広がりましたが、夫婦関係が悪かったわけではありません。転機となったのは、美沙さんが「FIRE(早期退職)」したことでした。

 

美沙さんは20代から投資信託や株式投資を継続。一方の亮太さんは「投資はよく分からないから」 と、預貯金中心。家計も夫婦別管理だったため、美沙さんがFIRE宣言をしたことより、その資産額に亮太さんは驚いたといいます。

 

「米国株も日本株も伸びが大きくてね、いま評価額が1億2,000万円超えてるのよ。もちろん昇給したことも大きい。でも、忙しすぎるんだよね。結衣も反抗期に入ってきたし、私もプレ更年期で疲れてきちゃって。そろそろ辞め時かなって」

 

娘の結衣ちゃんは小学6年生。近くに住む母親に助けてもらいながら子育てをしてきましたが、もっとそばにいてあげたい。そして、働き方もゆっくり考えたい。そう考えるようになったのだといいます。

 

亮太さんも賛成しました。お金の心配はありません。むしろ長年働き続けた妻が少し休むことは良いことだと――その時は、本当に思っていたのです。

 

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