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カード普及には一定の成果
マイナポイント事業の成果としてまず挙げられるのが、マイナンバーカードの普及だ。
事業期間中、カード申請件数は大幅に増加し、多くの国民がポイント制度を利用した。付与されたポイントの利用率も高く、制度そのものは広く活用されたことが確認されている。
会計検査院もこの点については一定の効果を認めている。
ただし、会計検査院は「カードが増えた」という結果だけを見ているわけではないようだ。
報告書から見えてくるのは、「その成果がどの施策によるものだったのか」という問題意識だ。
マイナポイント事業と並行して、健康保険証との一体化や行政手続のオンライン化も進められていた。カード取得者の増加が、どの施策による効果なのかを分析しなければ、今後の政策立案に生かすことはできない。
211億円の広報費は適切だったのか
今回の検査で注目したいのが広報費だ。
事業期間中、テレビCMや新聞広告、インターネット広告などに約211億円が支出されていたという。
もちろん、制度を国民に周知するために広報活動は不可欠だ。しかし、検査院が着目したのは広報費そのものではない。
報告書では、「なぜその媒体を選んだのか」「なぜその予算規模が必要だったのか」を事後的に確認できる資料が十分に残されていなかった点を指摘している。特に200億円を超える広報予算ともなれば、その意思決定過程について説明できなければならないだろう。
今回の報告書は、広報活動の是非ではなく、行政に求められる説明責任のあり方を浮き彫りにしたといえる。
問われるのは「普及率」から「費用対効果」への転換
これまでマイナポイント事業を巡る議論では、カード普及率が注目されてきた。
しかし、会計検査院が示したのはもう一段深い視点である。
それは、「どれだけ普及したか」だけではなく、「いくら使い、どれだけの成果を得たのか」を検証する必要があるという考え方だ。
約1兆3,905億円という巨額の国費を投じた以上、利用者数や申請件数だけを成果として示すのでは不十分だろう。投入した予算に見合う効果があったのかを検証し、その結果を国民に説明することが求められる。
報告書から読み取れるのは、「普及率重視」から「費用対効果重視」への転換を促すメッセージだ。これはマイナポイント事業だけでなく、今後の行政DXや補助金事業にも共通する課題といえるだろう。
会計検査院の報告書が投げかけているのは、単なるマイナポイント事業の成否ではない。約1兆3,905億円という巨額の国費を投入した政策について、「何人が利用したか」だけでなく、「なぜ利用が増えたのか」「その効果は投入コストに見合ったのか」を検証できる行政へ転換できるのかが問われているのかもしれない。今回の指摘は今後の補助金事業や行政DX全体にも共通する課題を示しているといえるだろう。
THE GOLD ONLINE編集部ニュース取材班
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