NTTも関わる「フィリピン・通信大改革」…「AIデータセンター」と「スターリンク」が交差する投資最前線

6月8日週「最新・フィリピン」ニュース

NTTも関わる「フィリピン・通信大改革」…「AIデータセンター」と「スターリンク」が交差する投資最前線
写真:PIXTA

日本の大手通信キャリアによるフィリピン市場への本格参入の動きが、現地で大きな波紋を広げています。1億人の人口を抱え、平均年齢25歳とデジタル消費が爆発するフィリピンでは今、通信の「外資100%保有」を認める法改正を機に、歴史的な構造変化が起きようとしています。すでにPLDTの戦略的パートナーであるNTTなどを筆頭に、地上では「AIデータセンター」の建設ラッシュを狙う日本勢が攻勢。その一方で、宇宙からはイーロン・マスク氏率いる「スターリンク」という巨大な黒船が、従来の通信ビジネスの常識を塗り替えつつあります。激変するアジアの成長市場で、地上のAIインフラと宇宙の通信網はいかに交差するのか――一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクター・家村均氏が解説します。

宇宙からの黒船「スターリンク」と次世代の投資戦略

しかし、地上のインフラ争い以上に市場を劇的に変容させているのが、イーロン・マスク氏率いるスペースX社の「スターリンク」です。7,000以上の島々からなるフィリピンにおいて、物理的な回線工事を不要とする衛星通信は、従来の通信ビジネスの常識を覆しています。スターリンクはすでにフィリピン全土でのサービスを開始しており、地方のデジタルデバイドを一気に解消しつつあります。

 

ここで投資戦略上、決定的な意味を持つのが、スペースX(スターリンクはスペースXの一部門)の史上最大規模と言われる新規上場(IPO)の動向です。このIPOによって調達される巨額の資金は、次世代衛星の拡充と通信端末の劇的な低価格化に充てられる見込みです。

 

スペースXの上場は、通信セクター全体のバリュエーション基準を塗り替える可能性を秘めています。資本市場に溢れる資金が衛星通信というフロンティアへ流れ込むことで、日本の通信各社も「国内の安定株」という枠組みを超え、宇宙技術やAIデータセンターを統合した「地球規模のデータプラットフォーマー」としての変革を迫られることになるでしょう。

 

日本企業がフィリピンで成功するためには、既存のPLDTやグローブとの競争だけでなく、スターリンクを補完的な回線として活用しつつ、地上ではAI処理に特化した高度なデータセンター網を構築するという、宇宙と地上を融合させた戦略が不可欠です。投資家は、物理的な境界線が消失しつつあるこの新しい通信の時代の到来を、ポートフォリオの再編を含めて真剣に検討すべき段階に来ています。

 

総評として、日本企業のフィリピン参入とスペースXの巨大IPOは、地上のAIインフラと宇宙の通信網が交差する新しい投資フェーズの幕開けを象徴しています。外資100%解禁という法的追い風を受け、NTTなどの既存プレイヤーを含む日本企業が、いかにしてスターリンクという「宇宙からの黒船」と共生しつつAIデータセンター需要を取り込めるかが、今後の勝機を分けるでしょう。

 

 

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※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。

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