娘のSOSに駆け付け、孫の面倒を見る日々
都内で共働きをしている長女に生まれた初孫は、恵子さんにとって目に入れても痛くない可愛さでした。しかし、長女にとって初めての育児は、想像以上に過酷なものでした。
なかなか泣き止まない我が子を前に、頼れる人も近くにおらず、文字通りのワンオペ育児。眠れぬ日々に、「私の育て方が悪いのかな……」。夜も眠れず、育児のプレッシャーで追い詰められていく娘を、恵子さんは見過ごすことはできませんでした。
恵子さんは週の半分、娘の家に通う生活をスタート。時には娘を外出させ、恵子さんだけで面倒を見ることもありました。
かつて想像していた、夫婦で優雅に温泉を巡ったり、海外へ飛んだりする豊かな老後。その気力も時間も、いまの恵子さんにはありません。さらに、恵子さんを複雑な気持ちにさせたのが、夫の行動でした。
「俺は子育てもノータッチだったし、孫のことは正直どうしていいかわからん」
そう言って、夫は孫の手伝いから離脱。恵子さんが娘の家で神経をすり減らしている間、夫は退職金と貯金で一人、趣味のゴルフや小旅行へと出かけていくのです。
「娘も孫も、とても可愛い。ですが、思っていた老後と違うのは確かです。夫を見るとイライラしますが、同時に羨ましい。『こんなことになるなら、ケチケチせず、家族みんなが若くて元気だった頃に、もっとパーッとお金を使って良い思い出を作っておけばよかった』。そんな後悔は、どうしても出てきてしまいます」

