(※写真はイメージです/PIXTA)

共働きが当たり前になったいま、子育て世帯にとって「どこに家を買うか」は、単なる住まい選びではありません。保育園の送迎、急な発熱、仕事との両立――現実的な事情を考えれば、実家の近くに住む選択はごく自然なことなのでしょう。その一方で、「息子も孫も向こうの実家に取られた気がする」と、複雑な思いを抱える親世代の声も聞かれます。見ていきましょう。

「孫を取られた」という感情の正体

総務省統計局「労働力調査(詳細集計)2024年版」を基にした独立行政法人労働政策研究・研修機構の発表によると、2024年の共働き世帯数は1,300万世帯に達し、専業主婦世帯の508万世帯の約2.6倍にのぼっています。

 

共働きが当たり前の子育て世代にとって、家をどこに買うかは極めて現実的な問題です。保育園の送迎や急な呼び出し、日常的な育児サポートなどを考えると、妻が実家の近くに住むことを希望するのは珍しいことではありません。

 

一方で、息子を持つ親世代のなかには「“うちの息子”のお嫁さんなのに」「長男の子は“うちの孫”なのに」――そんな感覚が、無意識に残っていることがあります。そのため、「向こうの実家ばかり」「うちは後回し」「孫が懐くのは嫁の母」という現実に、寂しさや割り切れない気持ちを抱くこともあるのでしょう。

 

さらに、いまは祖父母と孫の関係にお金が深く入り込む時代でもあります。住宅資金援助、教育費、習い事代、旅行費用。祖父母が子世代を経済的に支える場面は増えています。

 

それにより、場合によっては「これだけしてあげたのに」 という感情が生まれやすくなることもあります。しかし、子世代にとっては、「援助はありがたい。でも子育てをどうするかは別」という感覚です。

 

「孫を取られた」――栄子さんの言葉の裏にあるのは、支配欲だけではありません。そこには、息子が“自分の家族”を持ち、離れていく現実。嫁側の実家が優先され、自分が「外側」の人間になる痛みがあるのです。

 

実際、近くに住み、日常的に子育てを支える側の祖父母のほうが、孫との接点は増えやすいものです。そのため、会う頻度や懐き方で愛情を測ろうとすると、どうしても苦しくなってしまいます。

 

息子夫婦には、息子夫婦の生活があります。その現実を受け入れたうえで、「来たときに安心できる場所でいる」「無理に張り合わない」。そんな距離感のほうが、結果として長く穏やかな関係につながっていくのでしょう。

 

 

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