玄関で絶句…直面した「年金手取り」の現実
会社員として、決して少なくない年金保険料を給与から天引きされ続けてきた永瀬さん。ようやく迎えた65歳、年金受給のタイミングがついにやってきました。
永瀬さんは、毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」の記載額をベースに「毎月約16万円はもらえる」と確信していたといいます。ところが、初回の「年金振込通知書」を開いた瞬間、玄関先で思わず叫びました。
「おい、金額間違ってるぞ!」
そこに書かれていた実際の振込額は、月額ベースで約14万円。想定していた金額よりも、2万円も少なかったのです。しかし、結果的に、その金額は間違いではなく正しいものでした。
「完全に私の確認不足でした。でも、税金を引かれるなんて……。年間にすれば、無視できないほど大きな金額です。やっぱり少しアルバイトでもしようかなと、探している最中です(永瀬さん)」
最大の落とし穴は「額面」と「手取り」のギャップ
永瀬さんがはまった落とし穴。それは、「ねんきん定期便に書かれている金額=口座に振り込まれる金額」だと思い込んでいたことです。
・ねんきん定期便の記載額: 税金や保険料が引かれる前の「額面」
・実際の振込額: 所得税、住民税、介護保険料、健康保険料などが天引きされた後の「手取り」
意外と見落としがちですが、年金も立派な収入とみなされ、しっかり天引きが行われます。おおよその目安は、年金額面の10%〜15%程度。永瀬さんのケースでいえば、現役時代であれば「月1〜2万円の差」で済むかもしれません。しかし、収入が限られる年金生活において、この差額は確実に老後のプランに影響を与えるでしょう。
「ねんきん定期便」を見ないことのリスク
こうした事態を防ぐためには、毎年届く「ねんきん定期便」を正しく読み解く必要があります。まずは、年齢によって記載内容のルールが異なる点を頭に入れておきましょう。
50歳未満では、これまでの実績をベースに「今後も同じ条件で働き続けた場合」の仮定の試算。今後の転職や減給で金額は変わります。一方、50歳以上になると、将来の加入期間が固まってくるため、現時点の実績に基づいた、より確定値に近い見込額が記載されます。
通常、ねんきん定期便は年1回誕生月にハガキで届きますが、35歳・45歳・59歳という人生の節目には、これまでの全加入期間が一覧できる封書が届きます。また、日本年金機構の「ねんきんネット」に登録すれば、いつでもスマホから最新の記録を確認可能です。
「開封すらしていない」「ゴミ箱にポイしている」という人は要注意です。単に見込額を確認するだけでなく、過去の加入記録に抜けや漏れがないかをチェックする重要な役割もあります。
働いていたはずの期間が記録されていないといったミスがあった場合、修正に時間と手間がかかります。また、受給額がわからなければ老後のプランも立てられません。
長い老後を迎えるのに、「なるようになる」では自分が困ることになります。まずは、定期便を見て「いくらもらえるか」という現実を知ること。一方で、その記載額は額面であることを理解し、「手取り」を知ること。そして、足りない分をどう補填するかを冷静に計算することが大切です。
受給年齢が近づいてきたら、一度年金事務所や年金相談センターなどの窓口へ足を運び、手取り額などを担当者に試算してもらうのも賢い選択です。
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