「来るのが遅い」…母の一言で崩れた心
総務省『家計調査(2025年)』によると、65歳以上の単身無職世帯では、可処分所得が月11万8,465円、消費支出が月14万8,445円となっており、平均では毎月赤字です。高齢者本人の生活も決して楽ではありませんが、家族が介護に関わる場合、その負担は時間や感情の面にも及びます。
翌日、真理さんはケアマネジャーに相談しました。
「もう一人では続けられないです」
それまで言えなかった言葉でした。
ケアマネジャーは、訪問介護の回数を増やすこと、デイサービスの利用日を見直すこと、兄にも具体的な役割を持ってもらうことを提案しました。
真理さんは兄に連絡し、月に一度の帰省や費用負担、電話での見守りを頼みました。最初は気まずさもありましたが、状況を共有すると、兄も「そんなに大変だったとは知らなかった」と言いました。
「言わなかった私にも原因はあったんだと思います」
真理さんはそう振り返ります。
介護は、愛情だけで続けられるものではありません。
親を思う気持ちがあっても、疲れ、怒り、悲しみは生まれます。ときには、親の何気ない一言が、支える側の心を折ってしまうこともあります。
現在、真理さんは母の家へ行く回数を減らし、サービスと家族で分担する形に変えました。
「母を見捨てたいわけではありません。ただ、私一人で抱えたままでは、母にも優しくできなくなると思いました」
親の介護で大切なのは、誰か一人が限界まで耐えることではありません。親も子も無理を重ねすぎない形を探していくことが、長く向き合うためには欠かせないのかもしれません。
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