今週は、植田日銀総裁によるきさらぎ会での講演に注目
今週は、植田日銀総裁による「きさらぎ会」での講演に注目しています(図表1)。
植田日銀総裁は5月27日、日銀主催の国際カンファレンスでの開会挨拶で、過去4回の原油高局面(1973年の第1次石油ショック、1979年の第2次石油ショック、2000年代半ばの原油価格上昇、2022年のロシアによるウクライナ侵攻)を振り返り、中央銀行は原油価格を単独でみるべきではなく、賃金や予想物価上昇率などの初期条件が極めて重要であると指摘しました。
そのうえで、「予想物価上昇率がすでに高く賃金が加速している場合、二次的波及効果が大きくなる」との見解を示しています。
今回の原油価格上昇局面における初期条件をみると、中東情勢の緊迫化を前に、賃金上昇率は既に日銀のインフレ目標と整合的な水準(所定内給与で3%程度)を実現しています(図表2)。
また、企業や債券市場の予想物価上昇率は2%を上回っている、あるいは2%に近づいています(図表3・4)。
さらに、需要ギャップはプラスであり、為替レートも一時1米ドル=160円近辺まで円安が進行していました。これらを踏まえると、2000年代半ばやウクライナ侵攻時に比べ、今回の原油高局面は物価や賃金の基調を一段と押し上げやすい(二次的波及効果が生じやすい)環境にあると考えられます。
今回の挨拶では、6月会合での利上げについて具体的な言及がなかったものの、総裁が示した初期条件の強さの論理に照らせば、早期利上げの可能性は維持されていると考えられます。
そのため、6月3日の「きさらぎ会」講演において、利上げに向けた前向きな姿勢が示されるかが最大の注目点となります。
東京海上アセットマネジメント
※当レポートの閲覧に当たっては【ご留意事項】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『【米ドル円】6月第1週の為替相場にインパクトを与える「重要な経済指標」【解説:東京海上アセットマネジメント】』を参照)。
※本記事は東京海上アセットマネジメントの「TMAMマーケットウィークリー」の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が文章を一部改変しております。
※全文は「TMAMマーケットウィークリー」をご確認ください。
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