(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢の親が老人ホームに入居すると、家族はひとまず肩の荷が下りたように感じることがあります。食事、入浴、見守り、服薬管理など、在宅では家族だけで担いきれなかったことを施設が支えてくれるからです。しかし、入居後の費用は、月額利用料だけで終わるとは限りません。介護保険の自己負担、医療費、日用品費、理美容代、通院付き添い費など、細かな支出が重なっていきます。

「年金で何とかなる」と思っていた…施設入居後に届いた請求書

洋子さん(仮名・62歳)は、90歳の母・文江さん(仮名)が老人ホームに入居したあと、毎月届く書類を確認するようになりました。

 

文江さんは要介護3。年金は月15万円ほどです。夫を亡くしてから長く一人暮らしを続けていましたが、転倒や火の消し忘れが増え、家族で話し合った末に施設入居を決めました。

 

「母の年金で、ある程度はまかなえると思っていました」

 

入居前、施設からは月額費用の説明を受けていました。家賃にあたる居住費、食費、介護サービス費の自己負担。非課税世帯として軽減制度の対象になる部分もあり、洋子さんは「足りない月があっても、少し補えば何とかなる」と考えていました。

 

ところが、入居から数ヵ月後に届いた請求書を見て、洋子さんは手を止めました。

 

「え、これも別料金なの?」

 

そこには、日用品費、紙おむつ代、理美容代、通院付き添い費、医療費の立て替え分などが並んでいました。ひとつひとつは数百円、数千円の項目です。しかし合計すると、思っていたより大きな額になっていました。

 

「施設費だけ見ていたんです。でも、母の生活はそれだけでは成り立たないんだと分かりました」

 

厚生労働省の介護保険制度では、施設サービスを利用する場合、介護サービス費の自己負担のほか、居住費、食費、日常生活費などがかかります。また、所得や資産などの条件に応じて、居住費・食費の負担軽減制度が設けられています。

 

洋子さんは制度の説明を聞いていたつもりでした。しかし、実際の請求書に項目が並ぶと、現実味がまったく違いました。

 

「年金月15万円なら何とかなると思っていた自分が甘かったのかもしれません」

 

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