(※写真はイメージです/PIXTA)

物価高や円安、環境意識の高まりを背景に、リユース市場の拡大が続いている。かつて中古品は「節約のために買うもの」というイメージが強かったが、現在は「価値があるから中古を選ぶ」という消費行動へと変化しつつある。訪日外国人による中古ブランド需要も追い風となる一方で、業界内では大手と中小の格差拡大も鮮明になっている。拡大するリユース市場には、日本人の消費行動や経済構造の変化が映し出されている。※本連載は、THE GOLD ONLINE編集部ニュース取材班が担当する。

 ゴールドオンライン新書最新刊、Amazonにて好評発売中! 

トランプ劇場と超富裕層課税 増税か、減税か――税制が映し出すアメリカの真実
奥村眞吾(著)+ゴールドオンライン(編集)

シリーズ既刊本も好評発売中 → 紹介ページはコチラ!

「中古で十分」ではなく「中古を選ぶ」時代へ

かつて中古品は、「価格を抑えたい人が利用するもの」というイメージが強かった。しかし現在は、その位置づけが大きく変わりつつあるという。

 

背景にあるのが、長引く物価高だろう。食品や日用品の値上がりが続くなか、消費者の節約意識は一段と高まっている。一方で、単純な“安さ重視”だけではなく、「品質が良ければ中古でも構わない」という合理的な消費行動も広がっている。

 

東京商工リサーチは、「環境意識の高まりや物価高を背景に、消費者の節約志向が強まり、リユース市場は拡大を続けている」と分析する。

 

中古品購入への抵抗感が薄れ、フリマアプリなどのCtoCだけでなく、BtoC型リユース企業も業績を伸ばしているという。

 

東京商工リサーチがリユース業251社を対象に調査したところ、売上高合計は5,775億4,600万円と前期比11.2%増となり、4期連続の増収となった。利益合計も159億9,400万円と、3期連続で150億円を超えている。

“フリマアプリ疲れ”も店舗型リユースの追い風に

リユース市場の拡大を支えてきた存在として、フリマアプリなどの個人間取引がある。一方で企業が運営する店舗型・BtoC型リユース企業の存在感も強まっている。

 

個人間取引は高く売れる可能性がある反面、出品作業や写真撮影、値下げ交渉、発送対応、購入者とのトラブルなど、利用者側の負担も小さくない。そのため、フリマアプリ利用者のなかには、「多少安くても手間なく売りたい」と考え、店舗型買取を選ぶ人も増えているとみられる。

 

東京商工リサーチも、コロナ禍で在宅時間が増え、本や衣服、ブランド品などの整理需要が高まり、「より早く換金を望む顧客が買取業者を利用する機会が増えた」と指摘している。

円安で海外需要も拡大…訪日客が注目する日本の中古市場

リユース市場で注目されているのが、インバウンド需要だ。円安を背景に、日本の中古ブランド市場には海外観光客が押し寄せている。人気が高いのは、ロレックスやエルメス、ルイ・ヴィトンといった人気ブランドのバッグや、高級ジュエリー、カメラなどだ。

 

東京商工リサーチは、「日本の中古品は品質が高く、自国より安価に購入できるケースもあることから、訪日需要を押し上げる要因になっている」と分析する。

 

かつて訪日外国人の“爆買い”といえば、新品家電や化粧品が中心だった。しかし現在は、「日本で中古ブランド品を購入する」こと自体が訪日目的の1つになりつつある。

 

リユース市場は、国内の節約需要だけでなく、海外の高所得層の需要も取り込み始めている。

売上は伸びても、中小には厳しい現実

専門紙のリユース経済新聞によると、2010年代前半には1.5兆円だった市場規模は、23年に3兆円を超え、30年には4兆円に達すると見込まれているという。

 

市場全体は拡大している一方で、すべての事業者が恩恵を受けているわけではない。リユース業界では、売上高5億円未満の企業が約7割を占める。特に売上高1億円未満は97社で、全体の約4割に達しており、小規模事業者が多い業界構造が浮かび上がる。

 

一方、売上高100億円以上の企業は15社と、4期前の7社から2倍以上に増加した。

 

東京商工リサーチは、「資金力が事業拡大に直結するだけに、大手業者と中小業者の格差はさらに広がり、リユース業界では淘汰が一段と進む可能性がある」と指摘する。

 

中小企業では、高価買取競争や人件費上昇、店舗維持費の増加、EC対応コスト、広告宣伝費負担などが経営を圧迫している。

 

東京商工リサーチによると、2025年のリユース業の休廃業・解散件数は122件となり、前年比29.7%増で過去10年最多となった。倒産件数も前年を上回っている。

 

市場が伸びる一方で、競争も激化しており、大手への集中が進む造構も鮮明になっている。

リユース市場は「日本経済の縮図」か

現在のリユース市場には、2つの消費行動が共存している。

 

1つは、物価高のなかで「少しでも安く買いたい」という生活防衛型消費。もう1つは、「価値が落ちにくいモノを持ちたい」という資産価値重視型の消費だ。

 

つまりリユース市場は、日本人の節約志向、円安による海外需要の流入、価値重視型消費の拡大、大手集中と中小淘汰が同時進行する、“日本経済の縮図”ともいえる状況になっている。

 

中古市場の拡大は、単なるリサイクルブームではない。そこには、消費行動や資産観、さらには日本社会そのものの変化が映し出されている

 

THE GOLD ONLINE編集部ニュース取材班

 

 

【注目のセミナー情報】​​​

【資産防衛】6月17日(水)オンライン開催
《財務・資産承継戦略》
令和版「お宝保険」の正体とポテンシャルは?

 

【資産運用】6月18日(木)オンライン開催
《決算対策・財務戦略》
2026年版・太陽光投資の“4つのメリット”

 

 

 \6月16日(火)開催/
「相続税の税務調査」

調査対象に選ばれる人・選ばれない人

 

ゴールドオンライン・エクスクルーシブ倶楽部が

主催する「資産家」のためのセミナー・イベント

 

 

【6月16日開催】
海外移住で圧倒的節税!海外金融機関の活用法
~どんな人が海外移住で節税のメリットを享受できるのか~

 

【6月17日開催】
資産規模5億円以上の方のための
「資産管理会社」のつくり方・つかい方<第3回/不動産編>

 

【6月18日開催】
キャピタルゲインも期待できる環境に!
「債券投資」のタイミングと具体的な取り組み方

 

【6月20日-21日開催】
純資産1億円超の地主・資産家の方向け
なぜ、地主の手元には「現金(キャッシュ)」が残らないのか?

 

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧