(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢の親が一人暮らしをしている場合、子どもが家計の全体を把握するのは簡単ではありません。本人が「大丈夫」と言っていれば、生活に大きな問題はないと思いがちです。しかし、通帳を確認して初めて、家族の知らないお金の流れに気づくことがあります。

「助けたかっただけ」…父が抱えていた孤独と判断力の低下

勝雄さんは、悪いことをしている意識はありませんでした。むしろ、「困っている人を助けている」という気持ちが強かったのです。

 

「一人暮らしで、話し相手ができたのがうれしかったんだと思います」

 

最近の勝雄さんには、同じ話を繰り返す、約束を忘れる、郵便物を整理できないといった変化もありました。年齢相応だと思っていた違和感が、金銭管理の問題として表面化したのです。

 

総務省『家計調査(2025年)』によると、65歳以上の単身無職世帯では、可処分所得が月約11.8万円である一方、消費支出は月約14.8万円となっており、平均では毎月赤字です。月6万円の年金で暮らす勝雄さんにとって、900万円は老後を支える大切な資金でした。

 

由紀さんは、すぐに地域包括支援センターへ相談しました。さらに、金融機関にも事情を伝え、高額な引き出しが続いた場合には家族へ連絡してもらえる方法がないか確認しました。

 

その後、勝雄さんはもの忘れ外来も受診しました。

 

診断の結果、軽度の認知機能低下がみられることが分かりました。由紀さんは、父の通帳や現金管理を一緒に確認するようになり、必要に応じて成年後見制度や日常生活自立支援事業の利用も検討しています。

 

「父を責めても、お金は戻りません。でも、これ以上同じことを繰り返さないようにしなければと思いました」

 

高齢の親のお金の問題は、単なる浪費や管理不足では片づけられません。孤独、判断力の低下、人を信じたい気持ち。そうしたものが重なると、本人に悪意がなくても、家計は一気に崩れてしまいます。

 

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧