銀行を信用していなかった父…実家で見つかった大量の現金
会社員の大輔さん(仮名・48歳)は、父・正雄さん(仮名)が亡くなった後、実家の片づけをしていました。
正雄さんは79歳で亡くなり、母はすでに他界。大輔さんが一人で遺品整理を進めていたといいます。
父は昔ながらの気質の人でした。
「銀行なんて信用できない」
「現金で持ってるほうが安心だ」
そう口にしていたことを、大輔さんも覚えていました。しかし、まさかここまでとは思っていなかったといいます。
押し入れの奥、古い衣装ケース、仏壇の下――整理を進めるうちに、封筒や紙袋に入った大量の現金が次々と見つかりました。
「最初は100万円くらいかと思ったんです。でも数えていくうちに、額がおかしいと気づいて…」
最終的に見つかった現金は、合計約8,000万円。大輔さんは呆然としました。
父は年金生活でしたが、若い頃に不動産関連の事業で成功し、土地売却などでまとまった資産を持っていた時期がありました。
「こんな大金、どうしたらいいんだろう」
相続税についての知識は、ほとんどありませんでした。その後、親族との話し合いの中で、「現金なら分からないんじゃないか」という空気が流れ始めます。
「銀行口座と違って、履歴が残るわけじゃないし…」
大輔さん自身も、一瞬迷ったといいます。
国税庁『令和5事務年度における相続税の調査等の状況』によると、相続税の実地調査が行われた件数のうち、申告漏れなど非違があった割合は高い水準となっています。現金や名義預金などは、相続税調査で確認対象になることがあります。
しかし大輔さんは、「まさか本当に分かるとは思わなかった」と当時を振り返ります。
