「施設に入れたい。でも何から始めれば…」〈49歳・会社員息子〉物忘れが増えた82歳母。介護で最初につまずいたこと

「施設に入れたい。でも何から始めれば…」〈49歳・会社員息子〉物忘れが増えた82歳母。介護で最初につまずいたこと
(※写真はイメージです/PIXTA)

介護が必要になった親を前に、「早く施設を探さなければ」と焦る家族は少なくありません。しかし介護施設には複数の種類があり、入居条件や費用も異なります。要介護認定や相談窓口など、最初の手続きを知らないまま探し始めると、情報の多さに立ち止まってしまうことがあります。

「老人ホーム探し」すぐに入れると思っていたが…

浩司さん(仮名・49歳)は、妻と高校生の娘と暮らす会社員です。車で1時間ほどの実家では、82歳の母・信子さん(仮名)が一人で生活していました。

 

以前は身の回りのことを自分でこなしていた信子さんですが、数ヵ月前から同じ食品を何度も買ったり、通院日を忘れたりすることが増えました。ある日、近所の人から連絡が入ります。

 

「お母さんがゴミ出しの日を間違えて、外で困っていたよ」

 

実家を訪ねると、冷蔵庫には賞味期限の切れた食品が並び、薬も飲み残していました。

 

「一人で暮らすのは、もう難しいんじゃないか」

 

浩司さんが言うと、信子さんは顔を曇らせました。

 

「施設なんて嫌よ。まだ何でも自分でできる」

 

しかし、浩司さんには毎日通うことはできません。仕事では部下を抱え、娘の教育費もかかります。妻もフルタイムで働いており、同居するにも家の広さや通勤の問題がありました。

 

「施設に入ってもらうしかない。でも、何をすればいいんだろう」

 

浩司さんはインターネットで「老人ホーム」と検索しました。特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅。似た名称が並び、違いがわかりません。

 

費用も月十数万円から数十万円まで幅があります。とりあえず自宅近くの特別養護老人ホームに電話すると、職員から尋ねられました。

 

「お母さまの要介護度はいくつですか」

 

浩司さんは答えられませんでした。信子さんは要介護認定を受けていなかったのです。さらに、特別養護老人ホームへの新規入所は原則として要介護3以上だと説明されました。

 

厚生労働省『介護サービスの利用のしかた』によると、介護保険サービスを利用するには、まず市区町村の窓口で要介護・要支援認定を申請し、認定調査や主治医意見書などを経て要介護度の判定を受けます。施設を探す前に必要な手続きがあることを、浩司さんはこのとき初めて知りました。

 

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