洋菓子店を営むAさん(35歳・男性)は、事業が軌道に乗ったことで老後資金の準備を考え始めました。しかし、立ち上げ当初の資金が苦しい10年間、「国民年金」を未納にしており、「NISAで挽回しよう」と焦ります。実は、経営者が会社員と同じ感覚でNISAを優先すると、万が一の際に思わぬ落とし穴にはまる危険性があります。本記事では、経営者が知っておくべき「資産防衛の鉄則」について、1級FPの桐山昌也氏が解説します。
NISAは最後でいい…FPが教える「経営者の資産防衛」
業績がよいときほど「攻め」の運用に目を奪われがちですが、本当に必要なのは以下の順番です。
1. 直近2年の未納分を追納し、国民年金(+付加年金)でベースを作る
2. iDeCoと小規模企業共済で、拠出時の節税効果を得つつ、差し押さえられることのない老後資産と資金繰りのカードを確保する
3. 「守り」を完成させたうえで、余剰資金でNISAを活用する
「未納だった過去」という弱点すらも、非課税枠という「強み」に変える。これこそが、専門家がおすすめする、経営者の未来を守り抜く賢明なマネープランなのです。
桐山 昌也
株式会社ライトオブライフ
代表/1級ファイナンシャル・プランニング技能士
株式会社ライトオブライフ
代表/1級ファイナンシャル・プランニング技能士
1976年生まれ。京都大学経済学部卒、MBA(経営学修士)取得。銀行およびメーカーにて、スイス駐在や大学院派遣を含むエリートキャリアを歩む。
金融業界の内側に身を置く中で、世に溢れる「無料相談」の実態が、顧客不在のセールス手法に偏っていることに強い疑問を抱く。「本当にお客様の立場に立った、嘘のないアドバイスを届けたい」という理想を追求するため、2024年に独立。
現在は大阪を中心に、自ら足を運ぶ「出張型FP」として活動。保険や株の販売を一切行わない「完全中立の立場」を貫き、金融機関での実務経験を活かした「難しい手続きまで並走できるプロ」として、家計や資産運用の悩みに寄り添っている。
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