(※写真はイメージです/PIXTA)

厚生労働省『2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況』によると、65歳以上の者のいる高齢者世帯のうち単独世帯は52.5%を占めています。さらに総務省統計局『家計調査報告〔家計収支編〕2025年(令和7年)平均結果の概要』によると、65歳以上の単身無職世帯の可処分所得は月11.8万円、消費支出は月14.8万円で、平均月3万円の赤字となっていることがわかります。独居高齢者の生活は、家計面でも生活面でも、想像以上に脆さを抱えているものです。

「使っていた」わけではない…通帳が示していた母の現実

通帳をたどると、毎月の年金はきちんと入っていました。けれど、引き落としと現金の出金が続いたあと、残高はじりじりと減っていました。特別な浪費があったわけではありません。

 

目立ったのは、少額の出金が不規則に続いていたことでした。買い物の回数は減っているはずなのに、コンビニや宅配の利用が増え、1回あたりの支出はむしろ割高になっていた形跡もありました。

 

さらに、同じような食品を重複して購入していたり、使い切れずに廃棄していたと思われる形跡も見られました。現金をまとめて下ろしたあと、その管理が追いつかなくなっていた可能性もあったといいます。

 

「浪費ではありませんでした。生活をうまく回せなくなっていたんです」

 

和子さんに聞くと、本人は少し黙ったあと、ぽつりと打ち明けました。

 

「最近ね、何をするのも面倒で。あとでやろうと思って、そのまま忘れちゃうの」

 

買い物に行くのが億劫になり、食事は簡単なもので済ませる。薬も飲み忘れる。支出の一つひとつは小さくても、それが積み重なることで、家計のバランスは崩れていきます。

 

通帳の数字が減っていたのは、生活を整える力そのものが少しずつ落ちていたことが原因でした。

 

内閣府『令和7年版 高齢社会白書』でも、65歳以上の一人暮らしの者は増加しており、高齢期の暮らしは家族による見守りや地域での支えが重要になっていると示されています。見た目には元気でも、生活機能の低下が気づかれにくいことは珍しくありません。

 

光一さんは、その場で母を責めることはできなかったといいます。

 

「どうして言わなかったのか、とも思いました。でも、母自身も、どこまでできなくなっているのか分かっていなかったんだと思います」

 

その後、光一さんは地域包括支援センターに相談し、見守りサービスや食事の宅配、通院同行の支援を検討することにしました。いきなり施設という話ではありません。ただ、「まだ一人で大丈夫」という前提は見直さざるを得なかったのです。

 

「母は“迷惑をかけたくない”と何度も言いました。でも、何も知らないままにしておく方が、もっと大きなことになる気がしました」

 

和子さんも、最初は戸惑いながら、少しずつ受け入れ始めたそうです。

 

「できると思っていたのよ。でも、前みたいにはいかなくなっていたのね」

 

光一さんは、母の生活を“分かったつもり”でいた自分自身に気づいたと言います。

 

「もっと早く見に来ればよかった、とは思います。でも今気づけたからこそ、まだできることがあるとも思っています」

 

 

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