貯金があっても埋まらない…男性が向き合った“先送りの人生”
姉からは後日、「あの子、悪気はなかったから気にしないで」と連絡がありました。祥一さんは「分かってる」と返しながら、こうも思ったそうです。
「悪気がないからこそ、刺さったんです。大人なら言わないことを、子どもは言ってしまうから」
今すぐ実家を出るのか、それとも両親との暮らしを続けるのか。結論はまだ出ていません。けれど祥一さんは、家計や介護、住まいのことを“何となく”のままにはしないと決め、親とも少しずつ話し始めています。
「貯金があるから安心、という話でもないんですよね。数字はあるのに、人生が前に進んでいる感じがしない。そのことをようやく自分でも認められるようになりました」
実家に住み続けることは、必ずしも甘えではありません。合理性もあり、家族の事情もあります。ただ、その暮らしが自分にとって何を守り、何を先送りにしているのかを見つめ直さなければ、ある日、思いがけない一言に立ち止まることになるのかもしれません。
「“まだここにいるの?”って聞かれて、何も言えなかったのは、本当は自分でも少しそう思っていたからなんだと思います」
その本音は静かでありながら、長く積み上げてきた生活を見直すには十分な重さを持っていました。
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