否認事件での「示談交渉」…6つの注意点と対応策
「自分は疑われている犯罪をしていない」という否認事件で示談交渉を検討する場合、通常の事件以上に注意すべき点が多く、進め方を誤ると不利な状況を招いてしまうこともあります。
ここでは、否認事件ならではの示談交渉のトラブルと、その対策について解説します。
①謝罪が「自白」と受け取られてしまう
否認事件で最も多いトラブルが、謝罪の内容が事実を認めたものと評価されてしまうケースです。例えば、「自分がやりました。申し訳ありません」といった表現は、後の捜査や裁判で不利に扱われる可能性があります。
謝罪の際は、「ご不快な思いをさせてしまったこと」「トラブルになってしまったこと」といった点に焦点を当て、事実関係には踏み込まない表現を用いることが重要です。
表現の仕方は非常に繊細なため、弁護士に確認しながら進めると安心です。
②示談の申し入れ自体が拒否される
否認事件では、被害者の方が「認めていない人とは話したくない」と感じ、示談交渉そのものを拒否されることもあります。まずは、無理に交渉を進めないことが大切です。
弁護士を通じて丁寧に意思を伝え、状況によっては時間を置くことも検討します。話が並行線になってしまった場合は、仕方ありませんので示談交渉は諦めましょう。
③「お金で解決しようとしている」と受け取られる
否認しているにもかかわらず示談を申し入れると、「責任は認めないのにお金で済ませようとしている」と受け取られてしまうことがあります。このような誤解を避けるためには、
●示談の趣旨(トラブルの解決を図りたいという意思)
●相手への配慮の気持ち
この2点を丁寧に説明することが重要です。弁護士が間に入ることで、感情的な対立を避けながら意図を適切に伝えることができます。
④交渉の進め方で感情的対立が深まる
否認事件では、そもそも双方の認識が食い違っているため、交渉が感情的になりやすい傾向があります。例えば、
●直接連絡をしてしまう
●何度も接触を試みる
●相手の主張を否定するような言い方をする
といった行為は、関係を悪化させる原因になります。そのため、示談交渉は、必ず弁護士を通じて行うことが基本です。第三者が間に入ることで、冷静かつ適切なコミュニケーションが可能になります。
⑤示談書の内容が不十分になる
否認事件では、「どこまで合意するのか」が曖昧になりやすく、示談書の内容に不備が生じることがあります。例えば、
●宥恕の有無が明確でない
●将来の請求に関する取り決めが不十分
といったケースです。示談書は、単なる合意書ではなく、法的に重要な意味を持つ書面です。否認事件特有の事情も踏まえた内容にするため、専門家のチェックが不可欠です。
⑥タイミングを誤ってしまう
否認事件では、「まだ認めていない段階で示談をするべきか」と迷い、対応が遅れてしまうことがあります。しかし、示談は、
●逮捕前
●勾留中
●起訴前
といった早い段階ほど重要な意味を持つことがあります。状況に応じて、示談を進めるべきタイミングを見極めることが大切です。早い段階で弁護士に相談することで、適切な判断がしやすくなります。
否認事件における示談交渉は、通常の事件以上に慎重な対応が求められます。
●謝罪が自白と受け取られないよう注意する
●無理な交渉を避け、相手の感情に配慮する
●適切な方法・ルートで交渉を行う
●示談書の内容を正確に整える
まとめ
否認事件で示談交渉の場合、これら6点を意識することで、トラブルを避けながら適切に進めることができます。
否認事件では対応の難易度が高いため、早い段階から専門家に相談し、方針を整理することが重要です。
上野 仁平
JIN国際刑事法律事務所
弁護士
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