隠されていた娘の真意
Aさんにとってもう一つの想定外だったのが、一人娘との関係性です。娘もまた、父の暴言や威圧のなかで育ってきました。父は怖い存在であり、家は安心できる場所ではなかったはずです。
しかし、娘にとってつらかったのは、父の存在だけではなかったのかもしれません。Aさんは、普段のストレスから夫への愚痴を娘にこぼすことも少なくありませんでした。母にとって娘は支えだったのでしょう。けれど娘にとっては、自分の気持ちに蓋をして母を支えなければならない状況が、大きな負担だったようです。
「お母さんはお金が一番大事だったんでしょう」という言葉の奥には、「お金のことより、私の気持ちに気づいてほしかった」という、長年声にできなかった思いがあったのかもしれません。
熟年離婚で本当に大切なのは、その後の「判断軸」を持つこと
熟年離婚で本当に大切なのは、財産分与でいくら得るかだけではありません。
その金額でどのような暮らしができるのか。年金と支出の差額はいくらか。貯蓄は何歳まで持つのか。使うべき支出はなにか。そして、家族とどう向き合っていくのか。そこまで見通して初めて、離婚後の生活設計は現実のものになります。
人生には、お金だけでは整理しきれない現実があります。家族との関係や健康状態、日々の楽しみややりがいなど。それぞれを織り込みながら、暮らしは成り立っています。だからこそ、お金の見通しを持ったうえで、必要なものを見極め不要なものは手放していく。その判断軸を持つことが、その後の生活を支える土台となるのではないでしょうか。
内田 英子
FPオフィスツクル代表
ファイナンシャルプランナー
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