離婚後、穏やかな日々を送っていたが…「娘からのLINE」に呆然
65歳のAさんが夫と離婚してしばらく経ち、暮らしが少し落ち着いてきたころのことでした。Aさんのもとに、娘が久しぶりに帰省しました。食事をしながら、Aさんはつい胸の内をこぼしたのです。
「年金だけでは、少し心もとなくてね」
その瞬間、娘の表情が変わりました。しばらく黙っていたかと思うと、食事を早々に済ませ、そそくさと帰り支度を始めてしまいます。
玄関に向かう娘の背中に、Aさんは戸惑いながら声をかけました。「次はいつ来る?」娘は振り返ることもなく、「また連絡する」とだけ残して帰っていきました。
その日の夜。娘から1通のLINEが届きます。そこには、短い言葉でこう書かれていました。
『お母さんはお金が一番大事だったんでしょう』
Aさんには、その言葉の真意がまったく理解できませんでした。『そんなわけない……』弁解のメッセージを返信しましたが、いつまで経っても「既読」がつきません。
広い家で一人、Aさんはしばらくスマートフォンを握りしめたまま立ち尽くしてしまいます。自分はお金だけを求めてきたつもりはない。苦痛だった結婚生活を終わらせたかっただけなのに、なぜ娘はあんな言い方をしたのか――。Aさんにはわかりませんでした。
モラハラ気質の5歳年上“昭和型”夫
Aさんの元夫は5歳年上で、家庭では強い言葉と威圧で家族を押さえ込むような人でした。気に入らないことがあると、すぐにカッとなり、怒鳴る。物を投げる。ときには手が出ることも。「出て行け、ここは俺の家だ!」「親子の縁を切る! 勘当だ!」そんな言葉が、日常のなかで当たり前のように飛び交っていました。
夫は外ではしっかりと働き、それなりに稼ぎもありました。家計管理を含めた家のことはすべてAさんに任されていたため、周囲には「甲斐性のある夫」と映っていたことでしょう。しかし、Aさんは長年、夫の怒りを避けながら暮らし、娘もまた父の顔色をうかがいながら育ちました。夫の機嫌一つで空気が変わるため、妻と娘にとって家の中は緊張の連続でした。

