カメラの死角だった廊下には「大量の段ボール」
異変に気づいたのは、カメラを設置してから半年後。年末年始、久しぶりに実家に帰省し、玄関の扉を開けたKさんは言葉を失いました。
なんと、廊下は未開封の段ボール箱で埋め尽くされ、足の踏み場もない状態だったのです。見守りカメラはリビングに設置していたため、部屋の隅や廊下の様子までは映っていませんでした。
数十万円は下らない最新式のマッサージチェアをはじめ、封も開けられていない高級羽毛布団のセット、高額な美顔器、数万円する高級健康食品のまとめ買い、同じような形の鍋、十数種類に及ぶサプリメントなどが、所狭しと置かれていたのです。
驚いたKさんは母を問い詰めると、悪びれる様子もなくこう答えました。
「電話のお姉さんが、とっても優しくお話を聞いてくれるのよ。『お母様のような特別なお客様だけに』って教えてくれるから、つい買っちゃうの」
一人暮らしの寂しさと加齢による判断力の低下から、母はテレビショッピングのオペレーターと話すことが生きがいになり、「買い物依存」に陥っていたのです。さらに、一度購入した顧客に電話をかけて高額な商品を次々と売りつける「次々販売」の標的にもされていました。
慌てて引き出しから母の通帳を探し出し、記帳した瞬間、Kさんの血の気は一気に引きました。1,500万円あったはずの預貯金は、わずか半年の間に数百万円単位で引き出され、残高は1,000万円を切っていたのです。
「見守りカメラで介護している気になっていただけでした。こんなことになるなら、施設に入れておけば……」
母の老後資金が減ったことで、Kさんの家計にも負担が生じました。節約のための遠隔介護が、結果的に500万円の損失を生むことになってしまいました。
