高齢者の「消費者トラブル」の実態
Kさんの母親のような高齢者による消費者トラブルは、珍しいケースではありません。国民生活センターが発表した「消費生活相談の状況」によれば、65歳以上からの相談件数は年々増加しており、2024年度は30万件を突破しました。相談全体に占める割合も38.6%と、2020年度以降で最高を記録しています。
特に注目すべきは、年齢が上がるにつれて顕著になる「購入商品の傾向」です。同データで80歳以上の相談件数を見ると、「健康食品」が上位(80代前半で2位、85歳以上で2位)に入っているほか、85歳以上では「医薬品類(10位)」も上位に食い込んできます。Kさんの母親が大量に買い込んでいた「高級な健康食品」も、データと一致しています。
また、販売購入形態のデータを見ると、年齢が上がるにつれてインターネット等の「通信販売」の割合が下がる一方、「電話勧誘販売」や「訪問販売」の割合が高くなる傾向があります。在宅時間が長く、一人暮らしの寂しさから「電話口の優しい言葉」につい耳を傾けてしまう高齢者の心理が、トラブルの引き金になりやすいことがうかがえます。
国民生活センターは、高齢者の消費者トラブルを防ぐためには「身近にいる家族など、まわりの方が日頃から本人の生活や言動、態度などの様子を見守り、変化にいち早く気付くことがとても重要」と警鐘を鳴らしています。
Kさんのように「カメラを置いただけで見守った気になっている」状態は、家の中の異変や本人の心理的な変化といった危険な兆候を見逃す要因になり得ます。離れて暮らす親の介護や見守りにおいては、便利なデジタルツールを過信せず、定期的に顔を合わせて「死角」をなくす必要があるでしょう。
[参考資料]
独立行政法人国民生活センター「2024年度 65歳以上の消費生活相談の状況」
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