(※写真はイメージです/PIXTA)

物価高騰や管理費の増大により、賃貸経営における利回りの維持は以前より難しくなっています。特に1億円を超える規模の物件では、数千円の家賃差が資産価値に数百万円単位の影響を与えるため、賃料適正化はオーナーにとって急務といえるでしょう。本記事では、賃貸借実務に詳しい山口明弁護士が、入居者と不必要な紛争を起こさず、穏便に家賃を改定するための具体的な手順と法務のポイントを解説します。

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「賃料増額」が入居者とのトラブルのきっかけになるケース

以下のような行動はトラブルのきっかけとなるため注意が必要です。

 

1.法的な根拠をまったく示さずに高額な賃料の増額を求めたような場合

2.居室の維持・管理がまったく不十分であるにも関わらず、一方的に高額な賃料の増額を求めた場合

3.親から当該物件を相続した直後、入居者となんら連絡をとらないまま一方的に賃料増額の通知を送付した場合

 

なかには、入居者とのあいだの感情的なもつれが原因となってトラブルに発展する事例もあります。したがって、普段から入居者との信頼関係を築いておく必要があり、また信頼関係を破壊しないような行動を取るべきです。

 

それ以外にも、入居者が経済的に負担しづらいと考える賃料の増額までは求めない、入居者が負担とならない時期・金額にて徐々に増額を求めるといった配慮や工夫が必要です。毎年少しずつ値上げのお願いをするのであれば、入居者の感情的な反発は避けやすくなる事例もあります。

 

いずれにせよ、状況に応じて柔軟な対応をとっていくことが必要でしょう。

法的根拠と信頼関係のバランス

賃料増額請求は、法的な根拠に基づく正当な権利です。検討にあたっては、まずその根拠が法的に妥当であるか検証することが必要です。仮に十分な法的根拠があると考えられる場合であっても、一方的に権利のみを主張するだけでは入居者の納得を得られずに、調停や裁判などの紛争に発展してしまう可能性が高くなります。

 

入居者との信頼関係を築いたうえで、法的な根拠を十分に検討し、入居者の負担になりすぎないような金額、タイミングで交渉を進めていくこと。これが、結果として最良の結果を実現できることもあります。

 

 

山口 明

日本橋中央法律事務所

弁護士

 

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本記事は『アパート経営オンライン』内記事を一部抜粋、再編集したものです。

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