専用のソフトまで完備…マッキンゼーは「ショートカット」のプロ
私が見てきた中では、マッキンゼーのコンサルタント全員がものすごい速さでスライドをつくっていました。急なクライアントとのミーティングが入っても、30分の準備時間でミーティング用のスライドをつくってしまいます。
なぜここまで高速に仕上げることができるのか。1つには、ショートカットを巧みに使いこなせていることが挙げられます。文字の大きさを変える、箱の位置をそろえるなど、すべてショートカットで対応します。
また、マッキンゼーでは、マッキンゼー専用のパワーポイントとエクセルが存在します。コンサルタントが頻繁に使う動作をマクロで定義し、たとえばこの箱とこの箱を入れ替える、マッキンゼーの表紙を挿入するなど、クリック1つでできてしまいます。
そういった便利なファンクションをアドインで提供しているソフトウェア会社もあり、自分でつくらなくてもこういったアドインを購入してインストールすることも可能です。
個人のノウハウを可視化・データ化した資料も、専用サイトでスムーズに
マッキンゼーでは、「KNOW」というマッキンゼー専用のナレッジ管理のサイトがあり、そこで他のチームが作ったスライドをダウンロードすることができます。
たとえば、「生成AIのユースケース」と検索すればそれに関するスライド資料がたくさん出てきます。最新の資料がわかりやすく整理・管理されており、ドキュメントタイプでも検索することができます。実際にケーススタディと検索すれば、主要なケーススタディが一覧となって提示されます。また、テンプレートも検索でき、「プロジェクト計画」のテンプレートが必要であれば、「テンプレート」と検索すれば、複数のテンプレートが提示されます。
このように成果物のアセット化、ナレッジ管理を徹底化しており、これも効率化の大きな一役を担っています。
効率化を支える徹底的なサポートと分業体制
コンサルタントの業務の1つとして、情報収集やリサーチ、スライドのビジュアル化がありますが、これらの業務は、専門に扱うチームで対応されます。
たとえば「CCN(Client Capabilities Network)」と呼ばれるリサーチを専門にしたチームがあり、「フランスのIT技術者の平均コスト」を知りたければ、CCNチームがデータを準備してくれます。また、毎日のスライドづくりで大変助かるのが、「VG(Visual Graphics)」と呼ばれる、スライドのデザイン改善を専門にしたチーム。どんなに自分のスライドが汚くても、VGチームがマッキンゼースタイルの綺麗なスライドに直してくれます。
このように、コンサルタントが本来の仕事に専念できるようにサポート体制が整えられており、コンサルタントが必ずしも行う必要のない仕事は他のチームが担当する分業体制が確立されています。

