(※画像はイメージです/PIXTA)

1月下旬の急落で市場に緊張が走ったものの、金相場は大きな混乱なく持ち直した。米国上場ETFへの資金流入、中国の旺盛な現物需要、そして中央銀行による構造的な買いが続くなか、金は依然として「過少保有」の資産にとどまるとの見方も強い。投機的な過熱が一巡したいま、6~12カ月で1オンス6,000ドルを視野に入れる強気シナリオは現実味を帯びている。ビットコインETFとの資金フローの乖離や、中国市場のプレミアム拡大といった足元の動向を踏まえつつ、金市場の現在地を整理する。なお、本稿はステート・ストリート・インベストメント・マネジメントの3名のストラテジストによる共同執筆です。

公的部門の持続的な買いが金需要と価格を引き続き下支え

中央銀行は2025年もネットベースで買い越しを継続し、記録上最長の16年連続となりました※21。公的部門は依然として、構造的かつ価格動向に左右されない金需要の源泉となっています。中央銀行は2025年第4四半期に230トンもの金を積み増し、前四半期比で6%増加しました。これにより、2025年通年の純購入量は863トンに達しました※22。これは当社が2026年金見通しで示した通年予想(845トン)をやや上回る水準です。公的部門の需要は、2010~2021年の年間平均473トンを依然として大きく上回っています※23

 

2025年には、22の公的機関が少なくとも1トン以上の金を外貨準備に積み増しました。一方で、新興国の中央銀行が引き続き公的部門の需要を主導する中、少数の中央銀行が全体の金購入量の大半を占めました※24。ポーランド国立銀行は2025年に102トンを追加し、保有量を550トンへと増加させました。これは外貨準備全体の28%に相当し、改定後の配分目標である30%に向けて進展しています※25

 

さらに2026年1月には、アダム・グラピニスキ総裁が「国家安全保障上の理由」から準備高を700トンまで増やす意向を改めて表明しました※26。カザフスタン国立銀行は2025年に57トンを積み増し、1993年以降で最大の年間購入量となりました※27。6月には、ティムール・スレイメノフ総裁が「世界的な緊張が緩和するまで買い越しを継続したい」と述べています※28

 

また、ブラジル中央銀行は4年間の空白を経て金市場に復帰し、2025年9月から11月にかけて43トンを購入、保有量を172トンへと引き上げましたが、依然として外貨準備全体のわずか7%にとどまっています※29

 

当社は、2026年の中央銀行による金購入量が773トンから1,117トンの範囲になると予想しています※30。仮にこの見通しが実現すれば、2026年は1971年以降で有数の需要水準の年となる可能性があります※31。これは、中央銀行が金市場を下支えし、金価格の下限を押し上げる構造的な役割を一段と強めることになります。

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご留意事項】をご参照ください。

 

Aakash Doshi(Head of Gold Strategy)、Mohanad Abukhalaf (Gold Strategist)、アーロン・チャン(ゴールド・ストラテジスト)

 

 

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〈ご留意事項〉
本書は、投資の推奨や投資アドバイスを意図したものではなく、そのようなものとして依拠されるべきではありません。

本稿に示されている見解は2026年1月6日時点のSPDRゴールド戦略チームの見解であり、市場やその他の状況によって変わる場合があります。本資料には、将来の見通しと見なされる可能性のある記述が一部含まれています。その様な記述は、将来のパフォーマンスを保証するものではなく、実際の結果や展開はこれら予想とは大きく異なる場合がある点にご注意ください。

提供された情報は、投資助言に該当するものではなく、そのようなものとして依拠されるべきではありません。本情報は、有価証券の購入の勧誘または売却の申出とみなされるべきものではありません。本情報は、投資家の特定の投資目的、戦略、税務上の地位または投資期間を考慮したものではありません。ご自身の税務・財務アドバイザーにご相談ください。

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本資料は、ステート・ストリート・インベストメント・マネジメントが作成したものをステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ株式会社が和訳したものです。内容については原文が優先されることをご了承下さい。

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© 2026 State Street Corporation.
7620090.12.1.APAC.RTL Exp date:2/28/2027

〈注記〉
※1 Source: Bloomberg Financial L.P., SSIM, as of 01/31/2026
※2 Source: Bloomberg Financial L.P., SSIM, as of 01/31/2026
※3 Source: Bloomberg Financial L.P., SSIM, as of 01/31/2026
※4 Source: Bloomberg Financial L.P., SSIM, as of 01/31/2026
※5 Source: Bloomberg Financial L.P., SSIM, as of 02/04/2026
※6 Source: Bloomberg Financial L.P., SSIM, as of 01/31/2026
※7 Source: Morningstar, LBMA, World Gold Council, State Street Investment Management, as of 12/31/2025
※8 Source: Morningstar, LBMA, World Gold Council, State Street Investment Management, as of 12/31/2025
※9 Source: Morningstar, LBMA, World Gold Council, State Street Investment Management, as of 12/31/2025
※10 Source: SSIM, World Gold Council, as of 12/31/2025
※11 Source: SSIM, World Gold Council, as of 12/31/2025
※12 Source: China Custom, LBMA, Shanghai Gold Exchange, as of 12/31/2025
※13 Source: Bloomberg Financial L.P., SSIM, as of 12/31/2025
※14 Source: World Gold Council, SSIM, as of 12/31/2025
※15 Source: China Custom, LBMA, Shanghai Gold Exchange, as of 02/05/2026
※16 Source: Bloomberg Financial L.P., SSIM, as of 01/31/2026
※17 Source: Bloomberg Financial L.P., SSIM, as of 01/31/2026
※18 Source: Bloomberg Financial L.P., SSIM, as of 02/05/2026
※19 Source: Bloomberg Financial L.P., SSIM, as of 02/05/2026
※20 Source: Bloomberg Financial L.P., SSIM, as of 02/05/2026
※21 Source: World Gold Council Gold Demand Trends: Q4 and Full Year 2025, as of 01/29/2026
※22 Source: World Gold Council Gold Demand Trends: Q4 and Full Year 2025, as of 01/29/2026
※23 Source: World Gold Council Gold Demand Trends: Q4 and Full Year 2025, as of 01/29/2026
※24 Source: World Gold Council Gold Demand Trends: Q4 and Full Year 2025, as of 01/29/2026
※25 Source: World Gold Council Gold Demand Trends: Q4 and Full Year 2025, as of 01/29/2026
※26 Source: World Gold Council Gold Demand Trends: Q4 and Full Year 2025, as of 01/29/2026
※27 Source: World Gold Council Gold Demand Trends: Q4 and Full Year 2025, as of 01/29/2026
※28 Source: World Gold Council Gold Demand Trends: Q4 and Full Year 2025, as of 01/29/2026
※29 Source: World Gold Council Gold Demand Trends: Q4 and Full Year 2025, as of 01/29/2026
※30 Source: SSIM, as of 02/05/2026
※31 Source: SSIM, as of 02/05/2026

★1 出所:モーニングスター、ロンドン貴金属市場協会、ワールド ゴールド カウンシル、ステート・ストリート・インベストメント・マネジメント データは2025年12月31日時点

★2 出所:中国税関、ロンドン貴金属市場協会、上海金取引所、ステート・ストリート・インベストメント・マネジメント データは2026年2月5日時点

★3 出所:ブルームバーグ・ファイナンスL.P.、ステート・ストリート・インベストメント・マネジメント データは2026年2月5日時点

★4 出所:ワールド ゴールド カウンシル、ステート・ストリート・インベストメント・マネジメント データは2025年12月31日時点

〈用語集〉
中央銀行
一つの国または国家連合で用いられる通貨と信用の創造と分配を独立性を持って管理する金融機関。

COMEX
コモディティ(主に金、銀、銅、アルミニウム)の先物を取引する市場。

金のスポット価格
スポット市場における金の価格。国際的通貨コード「XAU」で表記される、1トロイオンス当たりの金価格。米ドル建て。

実質金利
インフレ調整後の金利。物価上昇の影響を取り除くことで、真の借入れコストおよび投資による実際の利回りを反映します。

ディーラー・ガンマ・スクイーズ
オプション市場におけるディーラーのヘッジ行動によって生じる市場の動き。投資家が大量のコールオプションを購入すると、ディーラーはガンマがショートの状態となります。その結果、価格が上昇するにつれてエクスポージャーをヘッジするために原資産を買い増す必要が生じます。これが需給をさらに逼迫(ひっぱく)させ、ファンダメンタルズとは無関係に価格上昇を加速させることがあります。

短期満期
数日から数週間で満期を迎えるオプション契約。満期が近づくにつれてガンマが高まり、小幅な価格変動でもディーラーのヘッジ取引が大きくなりやすく、原資産の短期的なボラティリティが増幅されることがあります。

RSI (Relative Strength Index:相対力指数)
直近の価格変動の速さと大きさを、0から100の尺度で測定するモメンタム指標。一般に70 を超えると買われ過ぎ(過熱)とされ、30を下回ると売られ過ぎと判断されます。

CIO (Chief Investment Officer:最高投資責任者)
資産運用会社、年金基金や大学基金、保険会社などにおいて、戦略的な資産配分を決定する上級投資責任者。CIOのポジション変更は、短期的な売買判断というよりも、長期的なポートフォリオ構築方針の見直しを反映していると考えられます。

レフトテール・ヘッジ
株式急落、政策ショック、通貨の不安定化など、極端に悪い市場結果(下振れ)からポートフォリオを守るためのポジション。金は、市場全体におよぶストレス局面における過去のパフォーマンスから、レフトテール・ヘッジとして位置づけられることが多いです。

中国人民銀行(PBOC)
中国の中央銀行であり、金準備を継続的に積み増している主要な構造的買い手。

中国金価格プレミアム
上海黄金取引所(Shanghai Gold Exchange:SGE)の金価格と国際指標価格との価格差。プレミアムがプラスの場合、中国国内における現物需要の強さや供給の逼迫(ひっぱく)を示し、しばしば金の輸入増加を促す要因となります。

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