(※画像はイメージです/PIXTA)

1月下旬の急落で市場に緊張が走ったものの、金相場は大きな混乱なく持ち直した。米国上場ETFへの資金流入、中国の旺盛な現物需要、そして中央銀行による構造的な買いが続くなか、金は依然として「過少保有」の資産にとどまるとの見方も強い。投機的な過熱が一巡したいま、6~12カ月で1オンス6,000ドルを視野に入れる強気シナリオは現実味を帯びている。ビットコインETFとの資金フローの乖離や、中国市場のプレミアム拡大といった足元の動向を踏まえつつ、金市場の現在地を整理する。なお、本稿はステート・ストリート・インベストメント・マネジメントの3名のストラテジストによる共同執筆です。

金ファンドの保有比率は、世界のETF・投信資産全体と比べて低水準

2025年に金価格が歴史的な上昇を遂げ、米ドル建て名目ベースで過去最高の資金流入を記録したにもかかわらず、世界のETFおよび投資信託資産全体に占める金ETFの保有比率は、昨年末時点で1.0%を下回りました※7。これは当社が多くのポートフォリオにとって適切と考える5~10%の目標水準を大きく下回っており、2011~2012年の約0.8%という過去のピークと比べて大きな違いはありません※8

 

2024~2025年にかけて金のディフェンシブ性および分散投資の柱としての役割が注目を集め、運用担当者が従来の60/40や70/30といった資産配分ベンチマークからのシフトを進めるなか、金ETFは今後恩恵を受けると当社は見ています。

 

最高投資責任者(CIO)やモデルポートフォリオの運用担当者が、シャープレシオの向上や、管理されていない長期デュレーション・エクスポージャーの分散を模索するなか、戦略的な金への配分は増加すると見込まれます。また、金の価格上昇によるリターンや下方テールリスクに対するヘッジ特性の活用を目的とした戦術的な配分も拡大する可能性があります。とりわけ、力強さを欠く米ドル、世界的債務増大、米国の政策不確実性の高止まりといった環境下では、その傾向が強まると考えられます。

 

今月のチャートは、金の投資比率を示す代理指標の一つです。もちろん、ETFには個人による現物保有やデリバティブ取引は含まれていない点は認識しています。もっとも、世界のETFおよび投資信託資産約60兆ドルという数字も、投資家の株式・債券へのエクスポージャーを過小評価しています。例えば、ADRやETFを除いた世界の株式時価総額だけでも、2025年末時点で約150兆ドルに達しています※9。多くの投資家や運用者は個別銘柄を直接保有しているのです。

 

当社は2026年見通しの中で、世界の株式・債券市場との関係で金(投資)保有の比率をより詳細に分析しました。その結論は一貫しています。金は資産として依然過少保有の状態にあります。

 

図表2:春節前に急拡大する中国国内の金価格プレミアム/ディスカウント(2003年~2026年2月)★2

 

次ページ世界的な現物需要、とりわけ中国からの需要が金価格を支える

〈ご留意事項〉
本書は、投資の推奨や投資アドバイスを意図したものではなく、そのようなものとして依拠されるべきではありません。

本稿に示されている見解は2026年1月6日時点のSPDRゴールド戦略チームの見解であり、市場やその他の状況によって変わる場合があります。本資料には、将来の見通しと見なされる可能性のある記述が一部含まれています。その様な記述は、将来のパフォーマンスを保証するものではなく、実際の結果や展開はこれら予想とは大きく異なる場合がある点にご注意ください。

提供された情報は、投資助言に該当するものではなく、そのようなものとして依拠されるべきではありません。本情報は、有価証券の購入の勧誘または売却の申出とみなされるべきものではありません。本情報は、投資家の特定の投資目的、戦略、税務上の地位または投資期間を考慮したものではありません。ご自身の税務・財務アドバイザーにご相談ください。

ここで言及されている商標およびサービスマークは、それぞれの所有者の所有物です。第三者のデータ提供者は、データの正確性、完全性または適時性に関していかなる保証または表明も行わず、また、かかるデータの使用に関連するいかなる種類の損害に対しても責任を負いません。

当社の書面による明示的な同意なしに、本著作物の全部または一部を複製、複写もしくは送信し、または第三者に開示することはできません。

コモディティやコモディティ指数に連動した証券は、全体的な市場動向の変化や金利の変化、さらには天候、疾病、通商停止や政治的ないし規制的な展開、対象コモディティに係る投機者や裁定者の取引活動な ど、他の要因の影響を受けます。

コモディティへの投資は大きなリスクを伴うため、すべての投資家に適した投資対象ではありません。

過去の実績は、将来の投資成果を保証するものではありません。

本資料は、ステート・ストリート・インベストメント・マネジメントが作成したものをステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ株式会社が和訳したものです。内容については原文が優先されることをご了承下さい。

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7620090.12.1.APAC.RTL Exp date:2/28/2027

〈注記〉
※1 Source: Bloomberg Financial L.P., SSIM, as of 01/31/2026
※2 Source: Bloomberg Financial L.P., SSIM, as of 01/31/2026
※3 Source: Bloomberg Financial L.P., SSIM, as of 01/31/2026
※4 Source: Bloomberg Financial L.P., SSIM, as of 01/31/2026
※5 Source: Bloomberg Financial L.P., SSIM, as of 02/04/2026
※6 Source: Bloomberg Financial L.P., SSIM, as of 01/31/2026
※7 Source: Morningstar, LBMA, World Gold Council, State Street Investment Management, as of 12/31/2025
※8 Source: Morningstar, LBMA, World Gold Council, State Street Investment Management, as of 12/31/2025
※9 Source: Morningstar, LBMA, World Gold Council, State Street Investment Management, as of 12/31/2025
※10 Source: SSIM, World Gold Council, as of 12/31/2025
※11 Source: SSIM, World Gold Council, as of 12/31/2025
※12 Source: China Custom, LBMA, Shanghai Gold Exchange, as of 12/31/2025
※13 Source: Bloomberg Financial L.P., SSIM, as of 12/31/2025
※14 Source: World Gold Council, SSIM, as of 12/31/2025
※15 Source: China Custom, LBMA, Shanghai Gold Exchange, as of 02/05/2026
※16 Source: Bloomberg Financial L.P., SSIM, as of 01/31/2026
※17 Source: Bloomberg Financial L.P., SSIM, as of 01/31/2026
※18 Source: Bloomberg Financial L.P., SSIM, as of 02/05/2026
※19 Source: Bloomberg Financial L.P., SSIM, as of 02/05/2026
※20 Source: Bloomberg Financial L.P., SSIM, as of 02/05/2026
※21 Source: World Gold Council Gold Demand Trends: Q4 and Full Year 2025, as of 01/29/2026
※22 Source: World Gold Council Gold Demand Trends: Q4 and Full Year 2025, as of 01/29/2026
※23 Source: World Gold Council Gold Demand Trends: Q4 and Full Year 2025, as of 01/29/2026
※24 Source: World Gold Council Gold Demand Trends: Q4 and Full Year 2025, as of 01/29/2026
※25 Source: World Gold Council Gold Demand Trends: Q4 and Full Year 2025, as of 01/29/2026
※26 Source: World Gold Council Gold Demand Trends: Q4 and Full Year 2025, as of 01/29/2026
※27 Source: World Gold Council Gold Demand Trends: Q4 and Full Year 2025, as of 01/29/2026
※28 Source: World Gold Council Gold Demand Trends: Q4 and Full Year 2025, as of 01/29/2026
※29 Source: World Gold Council Gold Demand Trends: Q4 and Full Year 2025, as of 01/29/2026
※30 Source: SSIM, as of 02/05/2026
※31 Source: SSIM, as of 02/05/2026

★1 出所:モーニングスター、ロンドン貴金属市場協会、ワールド ゴールド カウンシル、ステート・ストリート・インベストメント・マネジメント データは2025年12月31日時点

★2 出所:中国税関、ロンドン貴金属市場協会、上海金取引所、ステート・ストリート・インベストメント・マネジメント データは2026年2月5日時点

★3 出所:ブルームバーグ・ファイナンスL.P.、ステート・ストリート・インベストメント・マネジメント データは2026年2月5日時点

★4 出所:ワールド ゴールド カウンシル、ステート・ストリート・インベストメント・マネジメント データは2025年12月31日時点

〈用語集〉
中央銀行
一つの国または国家連合で用いられる通貨と信用の創造と分配を独立性を持って管理する金融機関。

COMEX
コモディティ(主に金、銀、銅、アルミニウム)の先物を取引する市場。

金のスポット価格
スポット市場における金の価格。国際的通貨コード「XAU」で表記される、1トロイオンス当たりの金価格。米ドル建て。

実質金利
インフレ調整後の金利。物価上昇の影響を取り除くことで、真の借入れコストおよび投資による実際の利回りを反映します。

ディーラー・ガンマ・スクイーズ
オプション市場におけるディーラーのヘッジ行動によって生じる市場の動き。投資家が大量のコールオプションを購入すると、ディーラーはガンマがショートの状態となります。その結果、価格が上昇するにつれてエクスポージャーをヘッジするために原資産を買い増す必要が生じます。これが需給をさらに逼迫(ひっぱく)させ、ファンダメンタルズとは無関係に価格上昇を加速させることがあります。

短期満期
数日から数週間で満期を迎えるオプション契約。満期が近づくにつれてガンマが高まり、小幅な価格変動でもディーラーのヘッジ取引が大きくなりやすく、原資産の短期的なボラティリティが増幅されることがあります。

RSI (Relative Strength Index:相対力指数)
直近の価格変動の速さと大きさを、0から100の尺度で測定するモメンタム指標。一般に70 を超えると買われ過ぎ(過熱)とされ、30を下回ると売られ過ぎと判断されます。

CIO (Chief Investment Officer:最高投資責任者)
資産運用会社、年金基金や大学基金、保険会社などにおいて、戦略的な資産配分を決定する上級投資責任者。CIOのポジション変更は、短期的な売買判断というよりも、長期的なポートフォリオ構築方針の見直しを反映していると考えられます。

レフトテール・ヘッジ
株式急落、政策ショック、通貨の不安定化など、極端に悪い市場結果(下振れ)からポートフォリオを守るためのポジション。金は、市場全体におよぶストレス局面における過去のパフォーマンスから、レフトテール・ヘッジとして位置づけられることが多いです。

中国人民銀行(PBOC)
中国の中央銀行であり、金準備を継続的に積み増している主要な構造的買い手。

中国金価格プレミアム
上海黄金取引所(Shanghai Gold Exchange:SGE)の金価格と国際指標価格との価格差。プレミアムがプラスの場合、中国国内における現物需要の強さや供給の逼迫(ひっぱく)を示し、しばしば金の輸入増加を促す要因となります。

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