61歳夫、全財産9000万円はずっと銀行に預金していたが…4年後に年金暮らしを控えた今になって、資産を「投資」に回した預金信者の転機

61歳夫、全財産9000万円はずっと銀行に預金していたが…4年後に年金暮らしを控えた今になって、資産を「投資」に回した預金信者の転機
(※写真はイメージです/PIXTA)

「老後資金は十分にあるはずなのに、減るのが怖くて使えない」そんなジレンマから、現役時代に築いた資産を銀行に眠らせたまま、年金の範囲内で慎ましく暮らす人は少なくありません。しかし、人生の残された時間を豊かに過ごすためには、資産を守るだけでなく、計画的に「使いながら運用する」視点が不可欠です。本記事では、野尻哲史氏の著書『100歳まで残す 資産「使い切り」実践法』(日本経済新聞出版)から、預金9000万円を運用にシフトすることにした60代男性の相談事例をもとに、老後の資産運用における考え方のポイントをみていきます。

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預金9000万円…資産を使いながら運用する方法

9000万円の資産を持ちながらすべて預金に置いていた61歳のご主人(奥様は62歳、お子様は30歳)に、ポートフォリオでの運用のメリットを案内。ポートフォリオ自体はオリジナルのファンドラップで、期待リターン5.9%の積極型から同2.8%の保守型までの5種類を提示して、やや積極的な4.6%の期待リターンのポートフォリオを選択(手数料は年1.8%)。

 

運用の可能性をもとに、モンテカルロ・シミュレーションで資産の推移を可視化して、そこに必要な家族の生活費やイベントごとの支出を加えながら、90歳でも資産が1600万円強残る計画を提示しました。

 

出所:株式会社GAIA、Wealth Management Workstationより
[図表]IFAが61歳男性に示した90歳までの資産推移 出所:株式会社GAIA、Wealth Management Workstationより

 

65歳以降、公的年金と個人年金でカバーできない必要生活費を取り崩しで補填する計画で、おおむね70歳までは年500万円前後から80歳には600万円前後、90歳には800万円弱と徐々に増えていくことを想定。

 

大切な視点は、資産に関してはポートフォリオの構築よりも、その前後のプランニングとフォローに重点を置くこと、そして資産運用よりも生活を楽しんでもらうことに力点を置くことにある。

投資のプロになる必要はない…資産運用の理想は「分業体制」

自分で運用ができる能力があって、証券会社や銀行に置いた口座で運用していても、高齢になるにつれて、徐々に「これで正しいのだろうか」と心配が募りがちです。まして大きなマーケットの変動が起きた際には、「これで本当にいいのだろうか」とセカンドオピニオンが欲しくなるものです。

 

資産運用のアドバイスは、とかく運用をどうするかのアドバイスに偏りがちですが、本来は「運用はアドバイザーに一任して、自分はその資産で生活を充実させる」という、いわば分業ができることが望ましいところです。

 

契約でしっかりと責務を明確にして、それを事前のしっかりとしたヒアリングと継続的なコミュニケーションでつないでいくことが運用一任業務に求められる点でしょう。

 

〈退職後のポートフォリオの組み方:4つのポイント〉

1.多様なリスク引き下げ方法のなかから、自分に合った方法を選ぶ。NISA、DCには効用と課題も

 

2.想定する有価証券比率は生活費から逆算する

 

3.加齢に伴いリスクを引き下げるには、有価証券資産からの取り崩しを優先する

 

4.有価証券比率の引き上げには、預金からの引き出しを優先する

 

 

野尻 哲史

合同会社フィンウェル研究所

代表

 

 

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※本連載は、野尻哲史氏による著書『100歳まで残す 資産「使い切り」実践法』(日本経済新聞出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

100歳まで残す 資産「使い切り」実践法

100歳まで残す 資産「使い切り」実践法

野尻 哲史

日経BP

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