若者の力で「シルバー民主主義」を打破しよう
衆議院選挙が行われます。若者の皆さんは、選挙に行きますか? 筆者は道徳の先生ではないので、「選挙は義務だから、みなさん選挙に行きましょう」などと言うつもりはありません。筆者は経済の先生だったので、「選挙に行く方が若者にとって得ですよ。だから選挙に行きましょう」と言うのが本稿です。
シルバー民主主義という言葉を知っていますか? 高齢者は人数が多く、投票率も高いので、政治家が「高齢者を怒らせる政策を採用すると選挙で落選しかねない。高齢者を優遇する政策を採用しよう」と考える、というものです。一方で政治家は、「若者は人数も少ないし、投票率も低いから、若者のための政策を採用しても当選確率は上がらない。若者を冷遇して高齢者を優遇する政策を採用しよう」と考えるのです。
これは、若者にとって大変不都合なことです。現状を変えるには、少なくとも悪化を防ぐには、若者が投票に行くことが重要なのです。若者の投票率が上がれば、政治家たちも「若者を怒らせると選挙に落ちそうだから、若者のための政策もしっかり考えよう」という気持ちになるでしょう。それが重要なのです。
若者の利益のためだけではありません。子育て支援策等が充実してくれば、少子化が止まって日本が衰退を免れるかもしれません。筆者は高齢者ですが、政治家が子育て支援に熱心になって日本の人口が回復する(せめて減少スピードが減速する)ことを祈っていますので、若者が投票してシルバー民主主義を止めてくれることを期待している、というわけです。
政治に詳しくなくてもいいから投票しよう
「政治のことは、よくわからないから、誰に投票したらいいかわからない」という若者も多いでしょう。しかし、それでも投票に行くことが重要なのです。投票所で10分だけスマホを使って候補者の公約等を見てみましょう。
公約を見てもよくわからない、という場合には、候補者の雰囲気で誠実そうな人か否か、判断すればよいでしょう。「美人や美男子だから」という外見判断は感心しませんが、「誠実そうな人だから」は立派な判断材料でしょう。
最悪、白票で投票してもよいでしょう。政治家は、誰が白票で投票したかわかりません。しかし「若者が投票した」という事実だけは知ることになるのです。
大人たちも、政治のことがわかっている人ばかりではありません。そもそも政治に関心が薄い人、政治のことは難しくてよくわからないという人、日々の生活に追われて政治のことを考える暇がないという人、政治のことを考える時間があったら楽しいことに使いたいと考えている人、など様々です。
そういう人の中には、「あの候補は村祭りに来てくれて、握手してくれたから投票する」「あの候補は冠婚葬祭に必ず顔を出してくれて、私たちのことを気にかけてくれているから投票する」などという人も多いのです。だから、村祭りや冠婚葬祭に政治家が来るのです(笑)。
選挙当日に投票所へ行くことができそうもない、と言う場合には、期日前投票や不在者投票という制度もありますので、そうした制度を利用して投票すればよいでしょう。
選挙の結果より「投票した事実」が重要
地方議会議員の選挙であればともかく、1票差で当落が決まる選挙は決して多くありません。ということは、「自分が投票しても、選挙結果は変わらない」ということなのです。そう考えて、「投票するのは無駄だから、投票しない」という人もいると思いますが、そういうものではありません。
自分が投票しても結果が変わらないとしても、投票することに意味があるのです。若者が投票した、という事実が政治家の気持ちを変え、シルバー民主主義を阻止することになるからです。
これについては、筆者自身の反省を記しておく必要があるでしょう。筆者が若かった時、選挙の当日に与党支持者と野党支持者が2人ずつ、合計4人で独身寮で麻雀をしていたのです。お互いに「敵陣営」の支持者が投票に行かないように、監視し合っていた、というわけです(笑)。
4人とも投票に行った場合と、4人とも投票に行かずに麻雀をしていた場合と、選挙の結果は同じですから、4人が麻雀に興じていたのは合理的なように感じていました。
しかし、それによって若者の投票率が落ち、政治家たちが「高齢者のための政策を優先しよう」と考えてしまったとすれば、失敗だったと言わざるを得ません。シルバー民主主義などという言葉は当時の筆者は知りませんでしたが、いずれにしても失敗でした。
今回は、以上です。なお、本稿はわかりやすさを重視しているため、細部が厳密ではない場合があります。ご了承いただければ幸いです。
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塚崎 公義
経済評論家
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