(※写真はイメージです/PIXTA)

なにかと話題になりがちな「NHK受信料」を巡る問題。支払いの公平性、コンテンツの有益性、組織のあり方などの観点から考えると、どのような運営が望ましいと言えるのでしょうか。経済評論家の塚崎公義氏が検証・提案します。

受信料は非効率で逆進的

NHKは受信料で運営されていますが、これは望ましいことではなさそうです。まず、「NHKを見ることができる受信装置は持っているが、NHKは絶対見ないと決めている人」からも受信料を徴収するのであれば、それは受信料とはいえないでしょう。

 

なにより問題なのは、受信料が逆進的だ、ということです。所得税は所得の高い人ほど税率が高くなっているので、累進課税と呼ばれています。それに対し、消費税は所得にかかわらず税率が一定なので、それを逆進的だ、と批判している人もいます。それについては両論あると思いますが、所得が倍で消費額も倍ならば消費税も倍払っているので、それほど問題ではないともいえそうです。

 

それに対し受信料は、大邸宅に住んでテレビを複数台持っている大金持ちでも庶民でも払う額は同じなのですから、これは逆進的だといわざるを得ません。所得に応じた受信料を請求するほうがよいのでしょうが、NHK職員は国民の所得を把握していないので、それは無理な相談です。

 

加えて、受信料というものは非効率です。誰がテレビを持っていてNHKを見られるのかを調べ、請求し、払わない人には支払いをお願いする、というのは大変な労力ですし、どうしても払わないという人を放置すると「ならば自分も払わない」という人が続出してしまう可能性もあります。

 

強制力のない「受信料支払いのお願い」に労力をかけるのではなく、せめて受信料の徴収事務は国税庁に委託して、「税金プラス受信料」の徴収という形で徴収漏れがないようにすべきでしょう。それなら「所得に応じた受信料」という設定も可能かもしれません。

「公共放送」の役割と必要性を考えよう

そもそも公共放送は必要でしょうか。歌番組やクイズ番組などは、民放を見ればよいので、公共放送が取り扱う必要はないでしょう。もっとも、公共放送が必要な分野もあるので、公共放送が不要だというわけにはいきません。

 

たとえば、視聴覚障害者向けの番組などは、民放に任せておくと放送されないでしょうから、公共放送は必要です。災害関連のニュースなども、信用力の高い公共放送がいざというときには頼りになると感じる人も多そうです。日本の芸術を紹介する番組などは、必要か否か見解がわかれるかもしれませんが、国立の美術館や博物館等が税金で運営されていることを考えると、同じように考えてもよいのかもしれません。

 

したがって、公共放送は必要なのですが、それが受信料で運営される必要はありません。税金を投入して運営すればよいのです。

 

税金を投入すると、テレビを持っていない人も費用を負担することになりますが、税金は受信料ではありませんから、そういうものでしょう。「私には子がいないので、私の払った税金を学校教育の費用に用いるのは嫌だ」という人がいても、その主張は通らないわけです。

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