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金(ゴールド)は「貨幣」であるという理解
人々が金(ゴールド)に魅了されるのは、輝いているからではない。貨幣だからだ。この事実を理解することが、金を理解するための出発点になる。世界には多種多様な貨幣がある。
世界の主要準備通貨としての役割をめぐって、さまざまな形態の貨幣が競い合ったこともある。現在流通しているドル、ユーロ、ビットコインは貨幣の1つの形態だ。そして、金もまた貨幣である。
そもそも「貨幣」とは何なのか
貨幣の典型的な定義は「交換手段」「価値貯蔵」「価値尺度」の3つの要素で構成され、これら3つの基準がすべて満たされたものが、ある種の貨幣だと言える。
経済学者に「貨幣とは何か?」と質問すると、中央銀行が印刷した法定通貨だけが貨幣であると反射的に考え、マネーサプライ(訳注・金融機関や中央政府以外の経済主体が保有する通貨量。「通貨供給量」とも呼ばれる)について専門的な説明をするだろう。
マネーサプライを測定する指標は、どの範囲までの預金を通貨に含めるかによって異なり、M3、M2、M1、M0に分けられる(それぞれの範囲はM3>M2>M1>M0となる)。範囲が最も狭いM0は銀行預金と流通現金で構成され、経済学者が知る通貨の定義の中で最も狭義であるため、「ベースマネー」とも呼ばれている。
私は金を「Mサブゼロ」と呼んでいる。なぜなら、経済学者が認めていなくても、金こそが紙幣供給を支える真のベースマネーだからだ。
金はリスクもリターンもないため、投資資産ではない
金は投資資産ではない。リスクもリターンもないからだ。ウォーレン・バフェットが「金にはリターンがないため、富を積み上げることはできない」と批判したことは有名だ。彼の発言は正しい。金には利回りがない。リスクがないのだから、利益も生まない。
1オンスの金を買って10年間保管していても、1オンスの金のままであり、それ以上でもそれ以下でもない。もちろん、1オンスの金の「ドル建て価値」は10年間で激変しているかもしれない。だが、それは金の問題ではなく、ドルの問題だ。
投資でリターンを得るには、リスクをとらなければならない。金に関しては、どこにリスクがあるのか。単なる金だから、期間リスク(訳注・満期日を過ぎると価値がなくなる)はない。
他の物質が、5年の期間を経て金に変わるわけではない。今も将来もずっと金である。誰かが金を発行するわけではないため、発行体リスク(訳注・発行体の財務状況の悪化などの影響によって価格が下落する)もない。金を持つ人が責任も持つ。他の誰の責任でもない。
コモディティ・リスク(訳注・コモディティ価格の変動によって生じる将来の市場価格の不確実性)もない。商品(コモディティ)には他に考慮すべきリスクがある。
例えば、トウモロコシを買うときは、「虫がついていないか」とか「美味しいか、それとも不味いか」などと心配しなければならない。
原油にも同じことが言え、品質によって75のグレードに分類されている。だが純金は、原子番号79の元素である。ずっと金のままだ。
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