(※写真はイメージです/PIXTA)

本記事では、ジム・リカーズ氏の著書『The New Case for Gold 投資の正解が見えない時代でも、ゴールドだけは裏切らない』(APJ Media 合同会社)から、通貨制度が崩壊したケースでの金/GDP比率の重要性について見ていく。

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世界が「影の金本位制」に向かっている現実

世界中の国が、準備資産の構成を多様化するために金の取得ペースを加速している。この傾向が見られることと、アメリカやユーロ圏、およびIMFが大量の金準備を保有していることを考慮すると、世界は「影の金本位制」に向かっていると言える。

 

各国の影の金本位制を評価するには、GDPに対する金の比率を用いるのが最も適している。金/GDP比率はさまざまな公式データから容易に計算でき、各国の計算結果を比較すると、どの国が真の「金大国」であるかがわかる。

 

強大な勝利者、つまり世界の「金大国」の中心は、ユーロ圏を構成してユーロを発行している国々である。

 

ユーロ圏のGDPに占める金の割合は、4%を超えている。アメリカは約1.7%でしかない。興味深いことに、ロシアは約2.7%であり、金の保有はアメリカの約8分の1だが、経済規模が小さいため、金/GDP比率が高くなっている。ロシアは金の取得を拡大している国の1つであり、ユーロ圏と肩を並べることを目指しているようだ。日本やカナダやイギリスは経済大国だが、金/GDP比率はきわめて低く、いずれも1%に満たない。

 

最も興味深いのは中国だ。中国が公式に発表している金準備は、2015年7月時点で1658トンである。だが、採掘量や輸入統計など信頼できる情報源から、実際には4000トン近くの金ストック(保有量)があることがわかっている(訳注・2025年1月末時点の中国の公式な金準備は約2285トンとなっており、2015年7月以降627トン増加している)。

 

公式な情報源に加え、筆者は、精製業者やセキュアロジスティクス(訳注・盗難・破損・紛失などの輸送リスクを最小限に抑えるための保管・輸送・取り扱いの安全対策を講じる)業者からも話を聞いて保有量を推測した。最低でもこの推測値を裏付けるに足る信頼できる情報を入手している。中国が金を4000トン以上保有している可能性も十分に考えられる。

 

ロシアと同じく、中国も、アメリカやヨーロッパと肩を並べるように金の取得を進めている。通貨制度が崩壊したら、金/GDP比率はきわめて重要になるだろう。なぜなら、どのような通貨制度の再構築が図られるとしても、金/GDP比率が基盤となり、新たな「ゲームのルール」になると考えられるからだ。

 

 

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※本連載は、ジム・リカーズ氏の著書『The New Case for Gold 投資の正解が見えない時代でも、ゴールドだけは裏切らない』(APJ Media 合同会社)より一部を抜粋・編集したものです。

The New Case for Gold 投資の正解が見えない時代でも、ゴールドだけは裏切らない

The New Case for Gold 投資の正解が見えない時代でも、ゴールドだけは裏切らない

ジム・リカーズ

APJ Media 合同会社

本書では、以下の主張を展開していく。 「金は貨幣である」 「金に基づく通貨制度の構築は可能であり、もっと言えば望ましい」 「〝公的な〟金本位制が確立されていないのであれば、個人は資産を守るために、金を購入すること…

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