もしものリスクに備える…「保険」の目的と効果をおさらい
日本人は保険好きだといわれています。保険というのは、普段から保険料を支払っておくことで、万が一なにかあったときに多額の保険金が受け取れて助かる、というものですね。たとえば、地震保険料を支払っておけば、万が一家が地震で倒壊したときに多額の保険金が受け取れる、というわけです。
もっとも、地震に備えるための手段は地震保険だけではありません。耐震補強工事を実施したり、地盤が強固な地域に引っ越しをしたりすることで、倒壊しにくい家に住む、というのも有効な手段でしょう。
余談ですが、南海トラフ大地震への備えとして、筆者は米ドル(実際には米国株式投資信託)を持っています。南海トラフ大地震が発生すれば、復興資材の輸入のために巨額のドル買い需要が発生し、ドルが急騰すると思われるからです。これも、広義の保険といえるでしょう。
同様に、老後資金を考える際にも、さまざまな選択肢を広く考えることが有益だと思われます。
①公的年金…老後資金の最強の備え、妻の厚生年金加入も推奨
老後資金を考える際の最強の備えは公的年金です。サラリーマン(サラリーウーマンや公務員等を含む、以下同様)は、公的年金保険料が給与天引きなので、払い漏れは考えにくく、贅沢さえしなければ、老後の生活費が年金だけで賄える、という人も多いでしょう。自宅を持っていて、住宅ローンが完済してあれば、ですが。
問題は、自営業者等です。若いときに年金保険料の未納期間が長かったりすると、老後に受け取れる年金額が大幅減額されたりしかねません。若い時からしっかり年金保険料を払っておくべきですね。自営業者は、サラリーマンより年金支給額が少ないので、公的年金だけで老後の生活費を賄うのはむずかしいでしょうが、定年がないので現役を続けながら年金を受け取って老後資金をしっかり蓄える、といったことが可能なので、やはり公的年金は強い味方です。
「どうせ将来は年金が受け取れなくなるのだから、保険料を払うのは無駄だ」といっている人を見かけますが、年金の専門家の多くはそうした心配は無用だと言っていますので、安心しましょう。
そもそも、政府は万難を排して年金を支払うはずです。そうしないと、生活保護の申請が著増して財政が破綻するからです。
サラリーマンの専業主婦は、一定以上稼ぐと厚生年金保険料を支払う義務が生じてしまうので、限度を超えないように働く時間を調節している人も多いようです。しかし、老後の生活のためには、厚生年金に加入できるような働き方をしておいたほうが安心でしょう。加えて、配偶者の失業、死亡、配偶者との離婚等のリスクに対する保険としても厚生年金は重要です。
当面の資金繰りが苦しいから厚生年金保険料を払いたくない、という人は、思い切って長時間働いて大いに稼ぎ、「年金保険料を払っても今より手取りが多くなる」ことも選択肢として検討しましょう。
公的年金の話は非常に重要なので、別の機会に詳述することにします。
②資産分散…老後資金は「預金・株・外貨」に分散しよう
株価の暴落が怖いから、老後資金はすべて銀行預金で持っている、という高齢者も多いようですが、預金もインフレが来ると目減りする(買えるものの量が減る)リスク資産なのです。
それならば、老後資金の一部を株式や外貨で持っておいたほうがむしろ安心かもしれません。株式や外貨はインフレに強い資産ですから。もっとも、実際には株式の銘柄を選んだりするのは大変ですから、米国株投信の積立投資をするのが一番簡単で効果的でしょう。
現金と米国株投信をどれくらいの比率で持つべきかは、インフレが怖いか株価暴落が怖いか、ということで決めれば良いでしょう。ちなみに筆者はインフレが怖いので、米国株投信を多めに持っています。
老後資金を分散して持つ、という話については、前回の拙稿『老後資産形成の正解は「たくさん儲けてリッチに過ごす」ではない…経済評論家が助言する「資産運用の重要ポイント」とは?』を併せてご参照いただければ幸いです。
③マイホーム取得…老後を考えるなら、借家より「自宅」に軍配
老後資金の最大のリスクは、長生きしている間にインフレが来て、老後資金が底を突いてしまうことでしょう。そんなときに借家に住んでいたら目も当てられません。高騰した家賃を死ぬまで払い続けなければならないわけですから。
そうならないためには、「若いときに住宅ローンを借りて家を買う」のも選択肢です。贅沢をしたくても銀行が返済資金を毎月引き落としてしまうので、意志が弱い人でも自宅を持つことができるはずですから。
本件については、拙稿『賃貸か? 持ち家か?…「インフレ・災害・人口減少」リスクを踏まえて「住まいの損得」を考える【経済評論家が解説】』を併せてご参照いただければ幸いです。
本稿は以上ですが、資産運用等々は自己責任でお願いします。また、本稿はわかりやすさを重視しているため、細部が厳密でない場合があり得ます。
塚崎 公義
経済評論家
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