子どもや孫のために「控えめに」
2人には息子が1人。現在は40代後半で、共働きで子育てをしながらローン返済中だといいます。それでも、野村夫妻は「生前贈与」や「援助」は慎重にしており、子世帯にも資産状況は伝えていません。
「うちに余裕があると知ったら、子どもだって甘えるかもしれない。だから言わないんです」
ただし、「いざというときには助けたい」という気持ちはあるとのこと。そのときのためにも、“老後資金は守る”というのが夫婦共通の戦略だと話します。
老後において、資産の多寡だけではなく、「それをどう使うか」「どう見せるか」もまた、個々の価値観に委ねられています。
和夫さんは最後に、こんな言葉を残してくれました。
「“使わないお金に意味があるのか”って言われるかもしれない。でも、使わないからこそ、安心できることもあるんですよ。見栄も承認もいらない。静かに暮らす老後が、今の自分たちには一番なんです」
資産を“隠す”という選択もまた、豊かさのひとつのかたちなのかもしれません。
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