(※写真はイメージです/PIXTA)

アパート経営をしている人にとって、アパートをどう承継するかは非常に重要な問題です。生前の準備により、アパートを引き継ぐ子が負担する税金が大きく左右されるためです。本記事では、アパートの承継を検討する際に、所有物件の事情に合った適切な承継の準備方法について税理士の木戸真智子氏が解説します。

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不動産管理事業を「法人化」するメリット

相続と生前贈与のメリットとデメリットを理解したAさん夫婦は、専門家から提案された「不動産管理事業の法人化」を検討することにしました。

 

株主の100%が子供というかたちが相続対策から考えると理想的ではあるのですが、仕事が忙しい子供達に不動産管理ができるのか、金融機関、管理会社、税理士とのやり取りができるのかという心配がありました。そのため、始めは親が51%、子供が49%の株式を保有することにしました。

 

まずは、法人を設立して、法人にご夫婦の不動産を移転します。土地は相続により取得したため、移転にかかる譲渡所得税の負担が大きいと考え、建物のみを移転させることにしました。これにより、移転にかかる譲渡所得税が軽減されるとともに、建物は会社の名義となったため、賃料収入は会社が受け取ることになります。ご夫婦個人の不動産収入も地代のみになり、毎年の確定申告による税負担も軽減されました。

 

会社が受け取った賃料収入は給料という形で子供達に支払うことができるようになり、不動産管理について、子供達と話し合う機会も増えました。不動産の管理やノウハウを子供達に引き継ぎながら、徐々に残りの51%の株式も子供達に生前贈与していこうと考えています。

 

会社形態にすることで、仮に長男が不動産を引き継ぐ予定であっても、不動産を引き継ぐ予定のない長女にも給料を支払うことができるというメリットもあります。また、不動産を分割して贈与する場合には登記費用がかかりますが、株式を少しずつ贈与しても登記費用はかかりません。

アパートの承継は早めからの準備が重要

相続か生前贈与かとても悩ましい問題ではありますが、不動産の所有の仕方を工夫することで解決できる可能性があります。税金と不動産の特性を見て、対策を進めていくことは非常に重要なポイントです。

 

なにより、早くから親子で話し合いを行えば、お互いの気持ちを確かめ合うことができ、心温まる承継となることでしょう。

 

 

木戸 真智子氏

税理士事務所エールパートナー

税理士

 

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本記事は『アパート経営オンライン』内記事を一部抜粋、再編集したものです。

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