(※写真はイメージです/PIXTA)

子や孫とのつながりを生きがいのひとつとして感じている高齢者は少なくありません。特にひとり暮らしの高齢者にとって、子や孫が訪れてくれる時間は何よりの楽しみであり、「まだまだ元気でいよう」と思える原動力にもなります。しかし一方で、そのたびに増える支出や、体力的負担が悩みの種になることも。経済的に余裕のない高齢者が「孫を迎えるのがつらい」と漏らすケースも見られます。

「来てもらう」ことの意味を、少しずつ変えていく

「先月、意を決して、拓也に『そろそろ私も体力的にきつくなってきた』って言ってみたんです。そしたら、すぐ『じゃあ今度はうちに来てね』って言ってくれて。その言葉で、張り詰めていた気持ちがふっと軽くなりました」

 

以後、美代子さんは“おもてなし”をやめ、来訪がある日には「お昼は買ってきてね」と伝えるようにしたといいます。

 

「孫はおもちゃじゃなくて、一緒に折り紙するだけでも楽しそうだった。自分で勝手に『こうしなきゃ』と思い込んでいたんだな、と」

 

「喜べない自分が嫌だった。でも、無理をして関係が壊れても意味がない。自分の年金の範囲で、無理なく関わっていくことが、長く穏やかな関係を保つコツだと思います」

 

家族だからこそ遠慮せず話すこと――それは「老後の安心」と「孫との絆」の両方を守る手段でもあります。

 

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