(※写真はイメージです/PIXTA)

かつては「夫が外で働き、妻が家庭を守る」ことが当たり前とされていました。子育てや家事を担いながら家庭を支えた“専業主婦”の多くは、定年後の夫婦生活に、ようやく穏やかな日々が訪れると信じてきたはずです。しかし実際には、老後に差し掛かってから夫婦の関係がぎくしゃくし始めたり、想定外の言葉や態度に傷ついたりするケースも少なくありません。「専業主婦だった40年間」を振り返る中で、にじむ後悔と、それでも前を向こうとする覚悟とは——。

子育ても終わった今、自分のために働いて何が悪いのか

65歳以上の女性のうち、専業主婦など厚生年金に加入していなかった人の年金受給額は、月5〜6万円台が多数を占めます。これは国民年金(老齢基礎年金)の満額であり、厚生年金に加入していない限り、これを超えることは基本的にありません。

 

一方、夫の年金額(老齢厚生年金含む)は、平均で月17〜18万円ほど。夫婦二人で暮らすには、慎ましい生活が求められる水準です。

 

さらに、夫が亡くなった後の遺族年金も、夫の厚生年金の3/4程度に減額されます。専業主婦だった妻の老後は、「夫婦時代よりも苦しくなる」ケースが少なくないのです。

 

「専業主婦は楽だ」「働いていないんだから文句を言うな」――こうした考え方は、もはや過去のものになりつつあります。

 

現代の家庭では、共働きが当たり前になった一方で、かつて専業主婦として生きてきた女性たちが、年金格差や老後の経済不安に直面する現実があります。

 

「子育ても終わった今、自分のために働いて何が悪いのか」。そんな覚悟を持った女性たちが、静かに、しかし力強く動き始めているのです。

 

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