夫を亡くした収入ゼロ・専業主婦の貯金が“4,000万円”。ネチネチ激ヅメするベテラン税務調査官、「あまり記憶が…」と曖昧な回答の78歳女性に完敗した理由【税理士が解説】

夫を亡くした収入ゼロ・専業主婦の貯金が“4,000万円”。ネチネチ激ヅメするベテラン税務調査官、「あまり記憶が…」と曖昧な回答の78歳女性に完敗した理由【税理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

「相続財産が多いと税務署が来る」は常識です。しかし、本当に恐ろしいのは、税務調査官が「あるはずの預金が“少なすぎる”」と気づいたとき。その消えたお金の行先が、収入のないはずの家族の口座だったとしたら……。それは、税務署が「名義預金」を確信する瞬間にほかなりません。本稿では、相続税申告に詳しい税理士の中垣健税理士事務所の中垣健税理士が、ある家族の事例とともに税務調査の実態を明かします。

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名義預金を疑われる「典型的な3つの構造」

今回のケースに限らず、名義預金が疑われるケースには一定の“型”があります。

 

1.通帳と印鑑を被相続人が管理している

名義が子や孫であっても、実際に親が出入金をしていれば、それは名義預金と判断されやすくなります。「通帳の場所を知っている=管理している」とみなされるのが税務署のロジックです。

 

2.入金の出所が被相続人に由来している

親の年金や給与、不動産売却代金などがそのまま家族名義口座に入っていれば、「資金移動の偽装」とみなされるリスクがあります。

 

3.贈与契約書や贈与税申告がない

「あげた」「もらった」という事実を客観的に証明する裏づけがないと、税務署への説明は困難になります。

 

このように、税務署は「名義」ではなく「実質」をみます。通帳の名義が誰であっても、実際の管理者が被相続人であれば、それは相続財産とされます。

名義預金を疑われないために、いますぐできる備え

税務調査の現場で感じるのは、「家族だからこそ書面がない」ことの危うさです。親が子に渡すお金、孫に贈る資金、生活費の肩代わり。どれも日常的で善意に基づくものですが、書面がなければ“贈与の証拠”にはなりません。名義預金を疑われないためには、最低限次の3つを実行してください。

 

〇贈与契約書を作成する:日付・金額・署名押印を明記し、1部ずつ双方で保管する。これだけで後日の説明力が格段に高まります。

 

〇贈与税申告を行う:「贈与が確かに行われた」という事実を未来へ残すことができます。

 

〇通帳と印鑑を本人が管理する:誰が管理していたかは、重要な判断基準です。親が預かっている状態は避けてください。

 

また、不動産売却や退職金などの大きな入金があった際には、「なにに使ったか」を通帳やメモに残しておくと安心です。「車購入」「孫の学費」「自宅改修」など、簡単なメモでも有効です。
 

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