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認知症でも相続できる法定相続分ってどんなこと?
相続人が相続する割合は法律で決まっている
相続人が「配偶者+子」など複数人いる場合、各相続人が相続する財産の割合「相続分」は民法で定められています。一方、被相続人が遺言書で自由に指定できる「指定相続分」もあります。
法定相続分では、誰が相続人になるかによって相続分が異なります。たとえば、「配偶者+子」の場合は、法定相続分は2分の1ずつになります。この時、子が2人いれば、2分の1を2等分するので4分の1ずつになります。
認知症の相続人がいる場合も法定相続分で遺産分割できる
相続人の中に、認知症の人がいる場合、遺言書があれば、通常はその内容に沿った遺産分割が行われることになります。
一方、遺言書がない場合で、認知症の症状も重く、意思表示が難しい場合は、成年後見制度を利用して遺産相続協議を行うか、法定相続分での分割により相続することになります。
成年後見制度を利用する場合でも、相続が有利になる協議ができるとは限りません。というのは、後見人は、被後見人(認知症の相続人)の利益を守るために働くので、認知症である相続人の相続分が法定相続分を下回るような場合、後見人はそのような協議内容を認めませんので、協議は振出しに戻ります。
一方、法定相続分で相続する場合、不動産が共有名義になってしまう点は注意が必要です。不動産の所有権を共同名義にすると名義人全員の同意がない限り土地の売却や家の処分などができません。また、名義人が亡くなると権利関係が複雑になることもあります。
法定相続を積極的に利用したいのは、たとえば父が亡くなり、認知症の母親と子一人が相続をするような場合です。法定相続では母が2分の1、子が2分の1を相続します。土地や自宅も母親が存命の時は共有名義となりますが、将来的にはすべて子が相続することになるので協議の必要もありません。
なお、金融機関の相続手続きでは、相続人の判断能力を求められます。

