ゴールドオンライン新書最新刊、Amazonにて好評発売中!
富裕層の資産承継と相続税 富裕層の相続戦略シリーズ【国内編】
『司法書士が全部教える 「一人一法人」時代の会社の作り方【実践編】』
加陽麻里布(著)+ゴールドオンライン (編集)
『富裕層が知っておきたい世界の税制【カリブ海、欧州編】』
矢内一好 (著)+ゴールドオンライン (編集)
シリーズ既刊本も好評発売中 → 紹介ページはコチラ!
認知症の相続人がいるとできない手続き・できる手続き
認知症に罹った人には、少なからず社会的に制約が出てきます。まず金融機関から本人名義の預貯金が下ろせなくなります。お金のかかる介護施設への入所にも困ることもあるでしょう。その対策として後見制度の利用や、事前の信託制度の活用があります。
認知症の相続人がいるとできない手続き
家族が認知症になったとき、困ることが3つあります。まず「1.本人名義の金融機関から、本人のためでも、お金が下ろせなくなること」です。
次は、「2.不動産を管理・売買できないこと」。3つ目が、「3.遺産分割協議ができず相続手続きが進められないこと」です。遺言書が残されていない場合には、遺産分割協議は相続人全員での合意のうえで書面にし署名捺印して初めて遺産分割となります。
『認知症になるとできない3つのこと』
1.預貯金が下ろせない
2.不動産を管理・売買できない
3.相続手続き(遺産分割協議)が進められない
このため、相続人に認知症の人がいる場合は、手続きが停滞してしまいます。ここからは、困った問題にぶつかった場合、どうしたらよいのか、認知症に備えていまなにができるのかを、考えましょう。
【コラム】認知症の予兆…”フレイル”の症状と予防のポイント
フレイル(虚弱)とは、日本老年医学会が2014年に提唱した概念で、高齢者が要介護状態になってしまう過程では意図しない衰弱、筋肉の低下、活動性の低下、認知機能の低下、精神活動の低下などの健康障害を起こしやすい状態、つまり「健康」と「要介護」との中間状態を経ることが多いとされます。
【フレイルの基準】
1.体重の低下
2.歩行速度の低下(横断歩道を青・黄信号の間にわたり切れないなど)
3.握力の低下
4.疲れやすい
5.身体の活動レベルの低下(日常的に行っていた運動やスポーツをしなくなったなど)
フレイルの症状としては、上記が挙げられます。5つのうち、3点が該当するとフレイルとみなされます。ただし同学会ではフレイルになっても、しかるべき対応策を行うことで再び健康な状態に回復する可逆性が含まれるとしています。
【フレイルの予防と改善のポイント】
1.適度な運動をすること
2.食事をしっかり摂り低栄養を予防すること
3.社会参加をすること
フレイルの予防・改善策としては、上記3点が挙げられます。散歩などの適度な運動は身体機能を維持していくうえで、とても重要です。また栄養摂取にも気を配りましょう。3食きちんと食べることが基本で、特にたんぱく質をしっかり摂ることが大切です。
さらに、近所のボランティア活動や趣味の集まりなど、地域や社会とかかわりを持つことも大事になります。こうした対応を進めることは、認知機能の衰えを防ぎ、生きがいづくりにもつながります。

